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得か損か

2017.12.23

塾内カリキュラム内では発達障害とオンラインの相性の良さについて伝えているのですが、その際によく使う例として、「どっちが得か損か」という話をさせてもらうと響くことが多いです。

 

今回は事例をあげながら、発達障害の方の世界の見え方を伝えてみたいと思います。

 

発達障害にとっての分かりやすさ

これまで既に、発達障害をお持ちの方が「曖昧さが苦手」ということについてお伝えしてきました。

 

これは、かなり多くの発達障害をお持ちのお子さんに当てはまるようです。

 

そのため自己判断を求められたり(『あなたはどう思うの?』など)、普通であることを要求されたりすることは非常に抵抗感と、理解力の点で受け止めにくいようです。

 

結論から言うと、どちらの方が長いか短いかを問われるかのように、何かの物差しを提示して、<どちらが得か?あるいは損か?>を尋ねられると、ご自身の行動を決められることが多いように感じます。

 

得か損かは分かりやすい

発達障害をベースに持ち、職場でのうつを発症しご相談される方の中には、周りからの評価、特に上司からの評価を気にされている方が多いです。

 

それは、自分が相手からどう見られるかが気になるというよりは、誰かと比べて勝っているかどうか、これが気になっているようです。

 

【評価】

 

というものはとても曖昧なもので、上司によって変わったり、また部署によっても評価の仕方は変わるでしょう。

 

そのため、大体の場合行き着くのは、出世であったり、お給料という分かりやすい物差しに戻ってくることが非常に多いです。実際お会いさせてもらう中でも、障害者手帳を受け取り働くことの抵抗というよりは、「お給料が安いから(障害者枠での就労は)嫌だ」という方は多いですが、一方で、<ではインターネットを使って、稼げる方法を教えてあげるから、その時間を作るために安定収入を障害者就労で稼ぐのはどうかな?>と尋ねると、多くの方、いえほとんどの方は、「それならその方がいいです」とお答えされます。

 

その背景には、言語化出来ない、かなり頑張って適応しようとして頑張っていることや、またそのことが評価されないことへのしんどさなど色々あるかと思いますが、分かりやすく、<どっちが得だと思いますか?>という質問には、明確に「こっち」と答えてくれます。

 

損することも嫌だ

同様に損をすることも嫌だと言います。

これは、とっさに相手を非難するような言葉を言わないと、自分の心が収まらない時に、<後々、そのことがあなたの給料を下げる結果になるとしたらどうですか?>と尋ねると、「それは嫌だ」と言うので、具体的な言い方や伝え方を教えると、実際出来る確率は高くないのかもしれませんが、それでもその方法を覚えようとし、実際その行動を取ろうとはされます。

 

このことは「自分だけが損をするのは嫌だ」ということも響いているからです。

 

 

もしかしたら、『うちの子が全て得か損かで考えるようになるなんて抵抗がある』とおっしゃる親御さんもおられるかもしれません。

 

それはそれでいいと思います。

 

ただ、<親御さんであるあなたにとって大事なことは、あなた自身の感情か、お子さんが理解をして、社会的に適応とされる行動を1つでも多く取れるようになることなのか?>ここを是非考えていただきたいのです。

 

それこそ、<お子さんが得をするのはどっちでしょうか?>です。

 

お子さんが「その方が得だ」と思えることを、親御さんであるあなたにも是非お手伝いしてもらえると嬉しいです。