大阪地震に学ぶ発達障害の避難対策【震災対策】

発達障害の治療と支援【生き方改革塾】臨床心理士の舩曳です。

 

この度の震災に際し、皆様にお見舞い申し上げます。

 

さて、今回の地震で改めて、発達障害児童の保護者の方にとって、避難のために出来ることのお問い合わせが多数あったため、この場でまとめてお伝えしたいと思います。

 

守るべきルールは最小限にすること

発達障害のお子さんに、『逃げるときにはまとめておいた荷物を持って』であるとか、『枕元に靴を置いておくから、それを履いて逃げること』『もし、はぐれたらどうやって連絡するか』など複数のことを、

 

【いざというときのこと】

 

を伝えることは、かなり難しいです。

 

というのも、

・頻繁にないこと

・いざというときの【いざ】という基準

・そもそもそんなに多くのことを覚えておくこと

そのものが発達障害を持っているお子さんにとっては、判断に迷い、苦痛を伴うことです。

 

そのため、大原則として、ご本人の中に災害時に覚えておかなくてはならないことは最小限にしておくことが必要です。

 

今回は災害前の避難訓練的な準備と、実際災害後のことについて、発達障害の特徴と合わせて、説明をしたいと思います。

◎災害の前に(準備)

先程もお伝えしたように、災害が起こったときに、ご本人が覚えておくことは最小限にしましょう。

 

また、避難訓練をたくさんすればいいというものでもありません。

 

というのも、避難訓練をしたとしても、それを遊びにしてしまうことも多々ありますし(学校場面でよく聞きます)、それがいざというときに、ご本人としては、「訓練は訓練」と思ってしまっており、実際の地震の揺れなどの際に、パニックを引き起こしてしまうこともあるからです。

 

そのため、起こり得る災害に対して、発達障害のお子さんはメモリが小さいことも考慮すると、1つないしは2つの指示で、成り立つことを覚えさせるための仕組みが必要です。

 

・・・ここまで読んでいただけた方にはお分かりかと思いますが、実際の災害場面では、1つ2つで対処出来ることはほとんどありません。

 

ということは、どうしたらいいか?

 

 

ポイントは2点です。

 

 

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・本人と一緒に避難用バッグを用意する。

・中に本人の情報と、指示書を入れておく

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ようにしましょう。

避難用バッグを一緒に用意することには、少しでも中に何が入っているのかの確認をすることが出来るからです。

 

例え後で忘れてしまっていたとしても、避難用バッグの中身を一緒に準備した体験は、中に何が入っているのかを思い出すきっかけになる確率を高めてくれます。

 

また中に入っているものを、周りの大人に必要以上に頼る必要が減らせることに繋がります。

 

別に持っているものを周りの大人から分けてもらうこと自体は問題ないのですが、それが後からその大人に【お子さんが持っているものをねだられた】と思ってしまわれると、避難時など緊急事態においては、いい結果にはつながりにくいです。

 

そして個人の情報ですが、

 

・本人の名前

・保護者の名前

・保護者の携帯番号

・祖父母など違う地域の電話番号

・住所

 

などの個人情報は基本変わらないものなので、クリアファイルなどにまとめて入れて置きます。

 

その他、上記が必要になるのは保護者であるあなたとはぐれた後であることが多いと思われますので、何度もその紙を使うことを考え、折り畳めるようにするのではなく、クリアファイルなど形が崩れにくいものに入れておくようにしましょう。

 

火災の場合、地震(や津波)の場合、などに場合分けし、それぞれにイラスト付きで(今はネットでイラストはたくさん見つかります)、対処法を書いておきましょう。

 

また場面一つとっても、外出先、自宅(親不在)の場合、自宅(親在宅)とで対処法は異なるでしょう。

 

となると、おそらくですが、避難時の対処法としての準備マニュアルは少なくとも数枚~小冊子くらいの大きさになると思われます。そのくらいの準備は必要だと言うことをまずは認識しておきましょう。

 

◎災害発生後

実際、災害が起こってしまった場合、一緒に逃げられる状況にあるのか、それとも、場所的に離れた場所なのかによって、お子さんへの指示は変わってきます。

 

ここは、あえて【指示】という単語を使っています。

 

臨機応変さが苦手な発達障害のお子さんにおいては、都度都度判断をさせるというのは、うまくいくことがあるかもしれませんが、多くの場合において、難しかったり、ストレスがかかることです。

 

例えば自宅で夜中に地震が起こったなら、1つずつ指示を出してあげて下さい。

 

・足元に割れたガラス等が予測される場合には、まず『靴を履いて』と指示をしてあげます。パニック等で本人だけでは難しいようであれば、代わりに履かせても構いません。

・避難用バッグを準備しているようであれば、それを持ってどこで待機をしておくべきか伝えます。

・その間に他の子どもがいるのであればその対処を、ご自身の避難用バッグ等があるのであれば、それを取りに行く、などお子さんへの指示以外のことをしましょう。

・ポイントは1つずつ明確にすることを伝えることです。

 

緊急時において、上記したような理由で、瞬間的に判断したり、臨機応変に対応することは、本来発達障害のお子さんにとっては、苦手なことです。

 

訓練等で改善されていることがあったとしても、本質的には苦手なことであるため、【出来ない前提で】動いた方が、保護者としては気が楽だと思います。

 

明確な基準でお子さんが取るべき行動を示してあげてください。

 

生き方改革塾でもお伝えしているように、行動分析を保護者もマスターしておくと、お子さんの行動コントロールは楽になります。

 

また最悪のシチュエーションというのも、緊急時においては非常に想定しにくいものです。

 

もしかしたら、『お母さんが戻ってくるまで、ここで待っているのよ』とスマホを持たせていたら、

 

ご本人はのんきにスマホでゲームをしている

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なんてことも在り得るのです。

 

普通ならありえないようなことが起こる可能性も考慮しながら、感情的にならずに、出来るだけ

①誰が見ても

②客観的で

③測定可能な(見て分かる)

行動を指示してあげて下さい。

 

繰り返しになりますが、複数の指示を伝えるのではなく、伝える指示は1つか2つです。

 

たくさん言いたくなるとは思いますが、お互いの命を最優先に考えるならば、1つの指示だけを守ればいい状況を作って行きます。

 

まとめ

 

そして最後になりますが、災害時に一番怖いのは、油断や保護者ご自身がパニックを起こしてしまうことです。

 

慌てず、焦らず、でも急ぐこと、そのためには上記したような、普段から準備をしていることが、災害時の緊急場面で出るということを理解しておいて下さい。

 

疑問点等はいつでも右上のお問い合わせから、お尋ね下さいね。

 

・普段から準備をしっかりとする

・指示書を読めば分かる状況にしておく

・保護者自身が落ち着く

・お子さんに与える指示は1つしか入らないと心得る

発達障害の治療と支援【生き方改革塾】

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