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発達障害児童のための環境調整

2017.12.18

今回は少し込み入った話をしたいと思います。
というのも、今回お伝えする、お子さんの行動の先読みという技術は、ある程度の経験が必要だからです。

 

例えば感情的にならないまでも、身近に発達障害のお子さんと接していたら、可愛いけど、何かしら感情的に逆なでする行動を取ることが多いとお聞きします。

 

そのため、ある程度の枠組みや環境調整ということが必要になってくるのですが、その枠組や環境調整について今回はお伝えしたいと思います。

 

状況把握

例えばですが、お子さんの不適応行動によって、誰がどんな不利益を被っており、またお子さん本人の困り感を感じさせるためにはどうアプローチするのがいいか、こういったことを考える必要があります。

 

私は、カリキュラム内でもお伝えしていますが、マインドマップを書くことをお勧めしています。

 

マインドマップとは、ノートに書くのとは異なり、用紙の中心に「テーマ」を書き、そこから連想される事象や原因、今後の展開などを書いて行くものです。

 

使い方等はカリキュラムを参照して下さい。

 

個人的には書き直しをすることを考え、また使い勝手もいいため、PC版のXMindというソフトをお勧めしています。
ただ、マインドマップを教えている人の中には、「手を動かすことがいい」をおっしゃり、手書きを推奨されている方も居られます。

 

個人的には、
・後から見返すために一定見やすい方がいい→PCを使って
・自由な連想の中でひらめきを大事にしたい→手書きで
くらいで考えていただけたらいいかと思います。

 

特にツールにはこだわらなくても大丈夫なので、ご自身使ってみて合うと思うツールをお使い下さい。

 

このツールを使い、状況把握をすることが一番になります。

 

状況把握や展開等をちゃんと理解しておくことが、次の環境調整のためには重要です。

 

本人の解決に対するニーズを共有する

正直、ご家族が困っていることであっても、ご本人が困っていない、また表面的には困っているとは言うが、我々が感じている困り感とは少し異なる気がする、こういうことがあるようです。

 

また余談ですが、ご本人の捉え方が正直独特で、親御さんとしては『違うような気がするけど、本当にそんな受け止め方のニーズでいいんだろうか?』と感じたとしても、問題解決に対するニーズがあるならあるで今はOKです。無理にきっちり揃える必要はありません。大事なことは、目的に対してご本人が困り感を感じており、一緒に行動する決意をしているかどうか、ここが一番重要です。

 

その際に、前述したように、紙に書いて説明をしていくとスムーズに進みます。個人的には、【その場で書いた方が】効果的(=事前に作ったマインドマップを再度お子さんの前で書き直す方が効果的)かと思われます。
既に完成しているものは、なぜか注意を引きにくいようです。

 

お子さんと一緒に対策を考える

ニーズ確認が出来たからと言って、具体的な対策を大人側で勝手に決めると、後々こじれる場合があります。
そのため、親御さんの立場からは出来るだけ【一緒に問題解決をする仲間】として接する方がいいかと思われます。

 

あるいは我々のような専門家に代わりに言わせるなら、具体的な方法は多少お子さんの想像の上を行っていても通じることもあります(とはいえ、現場では、同じように一緒に考えているスタンスを取りつつ、自分で気づいたような感じで、少し誘導しますが)。

 

くれぐれも大人側の理屈やスピードで進めない方がいいことが多いです。

 

その後の展開を考える

もちろんいいように転がれば一番よいのですが、そうならない場合も含めて、あらゆるケースは想定しておくほうがいいと思われます。

 

つまり、約束する時点で、
☆ある程度上手く行った場合の次のステップ(や話し合いのタイミング)
☆上手く行かなかった場合、どうなったら上手く行かないと判断するのか、またその場合の対策(仕切り直すタイミング等)

 

を決めておくのです。
それが環境調整に繋がります。

 

最初はそこまで中長期のスパンでのしつけということに抵抗を持たれることがあるかもしれません。

 

しかし、発達障害をお持ちのお子さんは予測や予想外のことが起こった時に、こちらが思っている以上に崩れてしまうことが多いです。

 

ですので、環境調整はお子さんの長期的な成長のためと考え、ある程度の枠組みやそれを超えた時のルール作りなどは出来るだけ丁寧に作っていきましょう。

 

もしお困りのことがありましたら、いつでもご相談下さい。