NEWS新着情報

新着情報

探偵ナイトスクープ 発達障害を持つ相撲好きの少年

2022.10.16

公認心理師・臨床心理士の舩曳です。

僕に限らず、関西人ならみんな大好き探偵ナイトスクープを見ていたところ、九州に住む18歳の相撲好きの少年の回でした。

彼は相撲が大好きで、東京行ったら、ディズニーランドに連れて行ってあげようと母は思っていたそうなのですが、なんと彼は「それなら両国国技館(相撲の聖地)に連れて行って」と言うほどの相撲にどっぷりはまっているそうです。

それでなんで今回久々にコラムに書くかというと、彼のお母さんが「相撲が好き過ぎて相撲取りになりたいと言うが、息子には発達障害があって」ということを何度も連呼されるのです。
※)彼にはADHDという診断名がついていたようですが、今回は便宜上、ADHD、ASD、LD、全てを合わせて発達障害と表記しています。予めご了承下さい。

このことから発達障害の職業選択や進路、そもそも「発達障害の言葉の重み」について感じたことがあり、今回コラムを書くことにしました。

[中見出し]発達障害を自己紹介に含めるべきか[/中見出し]

結論から言うと、僕個人の考えでは、「要らない」と思っています。
もちろん母の親心として、「見る人に何か不快感を与える前に」「周りから変に思われる前に」という転ぶ前に石を取り除いてあげたい!という気持ちは分かった上で、あえてもう一度言います。

自己紹介に発達障害を含める必要は全くありません。

もしかしたら番組として、また取り上げてもらうために、この「発達障害」というキーワードが必要だったのかもしれません。ですが、番組でないなら、またその後も何度も連呼されていたのですが、僕なら「2回目以降は、(相手が例え初めての人でも)言わなくてもいいんじゃないですか?」と伝えます。

世の中には程度の差こそあれ、発達障害の特徴を持っているけど、診断名が付いていない人もたくさんいますし、そもそも発達障害の特徴なんて気にしている人がどのくらい居るでしょうか。

ほとんど居ないと思っています。

仲良くなる過程で知られることや、トラブルを元に説明をせざるをえない場面はあるかもしれません。

僕はそれよりも連呼される子どもの方が心配になってしまいました。
最後までお読み下さい。

[中見出し]発達障害の進路及び職業選択[/中見出し]

これまで延べ1万人ほどは相談に乗ってきたので、一般論として読んでもらえたらと思います。

[小見出し]臨界期[/小見出し]

一般的には、心身の発達上、「この年齢を超えると獲得が難しいとされる時期」を臨界期と呼びます。

この臨界期を超えると、筋肉や神経系の発達(思考や運動神経含む)がゆっくりになります。

そのため、始めるには遅いことはありませんが、プロとしてやっていく、その業界の平均値以上になるには、一定の臨界期があることを知っておいた方が望ましいでしょう。

[小見出し]得意/不得意の側面から[/小見出し]
進路や職業選択を得意/不得意の側面から考えと、

[囲み装飾]【得意】
・一人競技のスポーツ:走る、泳ぐ、自転車を漕ぐ
・対戦相手がおり、パターンで応酬できる:囲碁、将棋
・アーティスト、芸能系、モデル=興味あることで極める
→例としてカミングアウトされている栗原類さん、米津玄師さん、スティーブ・ジョブズさん、映画『ハリーポッター』の主演ダニエル・ラドクリフさん
・開発や発明系:発達障害のこだわりや極める特徴と相性がいい。偉人としてトーマス・エジソンがよく例に出される。ただし、その時代に発達障害の概念はない
・単発完結型のスポーツ:野球。打つなら打つだけ、守るなら守るだけ。一つ一つに切れ目がある(メモリが少なくても覚えやすい)[/囲み装飾]

などは得意なジャンルと言われています。一方で不得意なのは

[囲み装飾]【不得意】
・複数の動作が含まれるスポーツ:球技全般
・チームワークを求められるスポーツ:サッカー、バレー
・切れ目がないスポーツ:サッカー、バレー
・相手の動きや思考などを俯瞰して見ることが必要なスポーツ:サッカー、バレー
・アーティストでも自分の興味だけに限定され、共感を得にくいジャンルや作品[/囲み装飾]

とされています。

[小見出し]興味の有無[/小見出し]

いくら不得意でも、一度興味を持ったものは本人が納得するまでしないと気がすまない、こういう方も一定居られます。時間的余裕があれば躓くまで待つのもありだと思いますが、遅く始める場合は、年限や時間制限(何歳までなど)を設ける必要があります。でないともしあなたが親御さんなら、子どものこだわりにいつまで付き合わないと行けないんだ、そんな気持ちが芽生えるかもしれません。

ちなみに不得意だろうが全く関係なく、まれに突き抜ける子が一定居ます。

[小見出し]進路・職業選択において重要なこと[/小見出し]
臨界期前×得意×興味あり、これが一番発達障害に限らず、進路や職業選択する上で重要となってきます。

また時代にあったものというのも、今後は視点に入って来ると思います。
少し脱線するかもですが、20年前は就けるなら何でもいいという場合、事務は人気の職業でしたが、今後5年ほどで人数は大幅削減されるでしょうし、銀行マンは花形職業でしたが、今はノルマが多いことが知られており、よほどメンタルが打たれ強く、成績も残せる人じゃないと、生き残ることはかなり厳しいでしょう。

上記の物に「×時代に合ったもの」というものが今後は入って来ます。

[中見出し]相撲好きの少年は相撲取りとしてやっていけるのか[/中見出し]
まずは上記を見てもらい、臨界期の課題(遅いという意味ではなく、伸びしろが今から伸びるかという判断)や、むしろ発達障害以外の要因の方が僕は気になりました。

例えば、番組内でも言われていた身長の問題。
相撲取りという業界において、身長があることは有利ですし、部屋に弟子入りする身長に彼は達していませんでした。

その他にも基礎体力や、臨界期にも関係してくる体幹や体重移動のスキル、技を仕掛ける練習は受けていても仕掛けられてどういなすかの練習でどれだけ物にできるのか、技への対応パターンをどれだけ増やせるのかということも要因として考える必要があります。

環境要因も考えなくてはいけません。
例えば、彼が本気で相撲に打ち込むとなった場合、近くの道場まで通えるのかなども気になりますし、18歳という彼が本気で相撲取りになりたいとなったとき、クラブ活動で相撲が強い高校もあったはずです。

それが出来なかった理由もあるのであれば、そのことの解決も必要でしょう。

いずれにしても今後彼は、うまく行った、うまく行かなかったの「経験値」が必要になるため、周りは先に石を拾ってあげてこけないようにすることではなく、こけても立ち上がり、そこで彼が経験値を得る、そんな環境が必要になってくると考えました。

[中見出し]まとめ[/中見出し]


テレビで、しかも探偵ナイトスクープというエンタメ系の番組で発達障害という単語を聞いたため、コラムを久々に書こうと思った次第です。

年度内には新規の方のお申し込みも停止する予定です。

もし少しでも臨界期前に自分やお子さんの発達障害の特徴をマイルドにしたり、強みに変えることに興味があるのであれば、今すぐご連絡くださることをオススメします。

発達障害改善をお子さんにカスタマイズして受けられる場所はもうほぼないと思います(一般化されたものは受けられると思います)ので、もしお子さん専用にトレーニング受けたいという場合は、今すぐご連絡を下さい。

詳細は今すぐコチラにお問い合わせ下さい。
➾[[舩曳公式LINEを友だち追加する https://lin.ee/Kvi0sE6]]

#発達障害 #改善 #ADHD #ASD #LD #探偵ナイトスクープ