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発達障害と雑談スキル

2018.05.7

発達障害の治療と支援【生き方改革塾】臨床心理士の舩曳です。

 

最近発達障害の方から、「周りの人と何をどう話したらいいか分からない」という相談はこれまでに多い相談内容の1つです。

 

これに対する具体的な解決策と、その根本的な考え方について今回はお伝えしたいと思います。

 

発達障害の理想的なコミュニケーションとは

何度もテーマに出てきている内容なので、「またか」と思われる方も居るかもしれませんが、とても大事なことなので繰り返してお伝えします。

 

【発達障害の方にとっての理想的なコミュニケーションとはパターン化されたものである】

 

です。

 

臨機応変に面白いことを言ったり、関西で言うボケに対する鋭いツッコミというのは、発達障害の方にとってはかなりハードルが高いことになります。

 

では、どうやってパターン化したらいいのでしょうか?

 

会話のコントロール方法について

一般的には会話とは決まった流れがないもので、パターン化など不可能に思えるかもしれません。ここでは自分が興味あることを一方的に相手に話すことを、会話とは呼びません。

 

しかし、以下の方法を使うことで、高確率で会話の流れを作ることが可能になります。

 

 

その方法とは、「質問をする」ことです。

 

例えば、話している相手に対して「休みの日には何をしていますか?」と尋ねると、相手の方の休みの過ごし方を話してくれると同時に、『ちなみにあなた(自分のことですね)はお休みのときは何をして過ごしているの?』と同じ質問を返してくることが多いです。

 

このようにすることで、会話の流れにある程度のパターンを作ることが出来るようになります。

 

もちろん100%相手が同じ質問をしてくるとは言いませんが、一般的には何かをされたら、同じことを相手に返したくなるのが人間なので、コミュニケーション場面では、質問をされたら同じ質問を相手にもすることが、相手にとっても楽ということになります。

 

予め質問への回答を用意しておく

ここまで来ると、もうお分かりかと思いますが、あるテーマに沿った質問をすると、相手からは同じ質問をしてくることが予想されるので、その質問に対する【答え】を、ある程度作っておけば、スムーズなコミュニケーションになりやすいと言えます。

 

そのため、質問に対して、当たり障りのない回答を用意しておくのではなく、多少なりとも会話が広がりやすそうな回答を用意しておくと、なお良いでしょう。

 

例えば先程の「お休みのときには何をしているのか?」という質問を相手にして、相手がそれに答えてくれて、さらに同じ質問をあなたがされたとしたら、どういう話をするかを、ここで考えてみましょう。

 

実際は家で寝てたり、ボーッとしていたり、何もしてないこともあるかもしれませんが、これでは会話は広がりません。

 

考える方向性としては、「相手と一緒に共有出来そうなこと」を準備しておいて、回答することです。

 

お子さんくらいの年齢であれば、マンガやアニメ、ゲーム、などが無難な回答になるかと思います。また部活をしているお子さんであれば、スポーツなども広がりやすいパターンのコミュニケーションになります。

 

ただ間違えても、そのものズバリのスポーツ(例えばバスケ、テニス、マラソンなど)よりは、「体動かすこと好きやからスポーツしてるねん」と、少し幅を持たせた答えの方が、今度はそれを相手が拾ってくれる可能性が広がります。

 

 

このように雑談スキルとはパターン化出来るコミュニケーションの引き出しをたくさん持つということになります。

 

雑談内容のテーマ

具体亭なテーマについては、カリキュラム内でも「雑談スキルの極意」ということで、お伝えしています。

 

基本的にはお互いに傷つかない、またはお互いが関与しにくいテーマがいいですよとお伝えしています。

 

またその先の応用編もありますので、気になる方は是非こちらから、試し読みしてみて下さいね。

 

発達障害の治療と支援【生き方改革塾】についての説明はこちらから。