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発達障害の生き辛さ

2017.12.11

年間約1000人ほどの方から発達障害のご相談を受けるのですが、共通した悩みは「発達障害の生き辛さ」ということです。

 

もちろん全ての発達障害の方が生き辛いわけではありません。

 

知り合いの某社長は「僕はADHDなので・・・」と言いながら、次々ビジネスを成功させていかれていて、本当に楽しそうにされて社長業をされておられます。

 

一方で、発達障害の生き辛さというテーマについて、今回はお伝えしたいと思います。

 

薄いからこその悩み

発達障害の生き辛さの悩みの中で多いのは、障害の程度が軽いからこその悩みです。

 

例えば自閉スペクトラム症(ASD)を例に挙げてみますと、最近ではよく知られるようになりましたが、薄い方(物差しで言うと0に近い側)から、濃い方(物差しの100に近い方)の方まで、幅広く居られます。

 

 

濃いからしんどい、薄いから楽という単純な話しではなく、濃い方は濃い方なりのこだわりや融通の効かせ難さに繋がりますが、一方で薄い方は薄い方で、一見目立たないために、非常に努力をしていたり、努力をしていても出来なかったり、努力をしてなんとかこなしている辛さを会社や上司に理解してもらえないこともあるのです。

 

最近ご相談いただく中で、しんどいと感じるのは、薄い方で、なかなか周りにご理解いただけない、そんな方も増えて来ました。

 

言語化の困難さ

これは非常に伝えるのも難しいのですが、コミュニケーションが一般的には苦手な方が多いです。ASDに限らず、ADHDの方は早口の方が多かったり、間の文章が飛んだり(伝えたい気持ちが優先するからとのこと)、適切な単語が思い浮かばなかったり、そもそも言語化するのが出来ない、しにくいという方も居られます。

 

どういうことかと言うと、まずコミュニケーションの苦手さに自覚があり、困っている方と困っていない方が居られます。困っていない方はそもそもご相談されないのですが、実は他の神経症等を訴えてご相談にいらっしゃる方も居られます。

 

真の原因に気づかず、表面的な症状に引っ張られてしんどくなる感じと言えば伝わりやすいでしょうか。

 

一方で、コミュニケーションの苦手さに自覚があったとしても、言語化出来ずに、苦しんでおられる方も一定数居られます。

 

例えば、上記したように仕事がうまく行っていない方で、ご家族が心配して、『大丈夫?』と声掛けをしたとします。

その場合も、うまく言語化出来ればいいのですが、イライラだけが思い出されて、口から出て来るのは「うるさい!あっちいけ!」だったりするのです。

 

当人は悩んでいるし、苦しんでいるし、本当であれば愚痴も聞いてもらいたい。

でも言語化する術がない。こういう方も居られます。

 

そういう方の場合は困り感はお持ちですので、代わりに言語化したり(通訳したり)、近い言葉を一緒に探したり、絵を書いたりして言語以外の方法で表現することを手伝うこともあります。

 

このように言語化出来ないしんどさというのもあるのです。

 

まとめ

最終的にはご本人に困り感さえあるのであれば、生き辛さは代わりに言語化したり、伝えたい方に通訳したり、うまく行かない問題を上手くいくようにお手伝いすることは可能です。

 

発達障害における生き辛さとは、「理解されない」ことであったり、「性格のせいにされること」だと日々のご相談から感じます。

 

まずは、ご自身の困り感に気づいてもらえることが、支援者であったり、支援者の支援としては重要なことになります。

 

一番ダメなのが、共倒れすること。

そうなる前に、適切な支援を受けられるよう相談出来る場所を作っておきましょう。

生き改塾では、あなたからのご相談をいつでもお待ちしております。