第1回CURRICULUM
生き方改革塾カリキュラム概要
これから1年間に渡り、あなたの生き方や日常生活の困っていることを解決していく生き方改革塾(以下生き改)塾長の舩曳(ふなびき)です。発達障害の支援を始めてから既に15年が経過し、カウンセリングの実績としては5,000人を超え、発達障害の方向けの支援人数も延べ人数は2,000人を超えました。今も年間1,000人ペースで増え続けています。その中でも、ほぼ全ての方に共通する、またここに注力することで、大きく改善が見られたエッセンスとも言うべきものを、この生き改のカリキュラムにギュッと圧縮し、詰め込みました。全12回のカリキュラムですが、随時増やしたり、あるいは分かりやすくするために、一部カリキュラムをまとめる場合もございます。その場合にはお知らせはしますが、随時バージョンアップしていくことだけはお約束致します。発達障害者向けの支援としては、世界初のものですし、またコミュニケーションというものの切り口を発達障害者向けのカリキュラムとして再構成したものとしても、世界中どこを探しても他にはない、完全オリジナルカリキュラムとなります。これだけのコンテンツを企業がしようとすると、コスト面等でコスト倒れになってしまうため、普通はやりません。世界初、かつオリジナルのものなので、もしかしたら一度でご理解いただきにくい内容も一部あるかもしれません。そのため、サポートを無料で受講期間中受け放題となっておりますので、そちらの方も十分にご活用下さい。各回のカリキュラム内容について、基本的な考え方としては、「出来る範囲のことを頑張る」というものになっています。一般的にはコミュニケーションや学力含め、
に分類することが出来ます。これはそれぞれの個性によっても異なりますので、個々人で差があるとご理解下さい。
特に、01.得意なことは、ご本人の個性として花開くよう支援させてもらい、02.苦手かもしれないが、頑張ればなんとか出来るようになることで、【粘り強い精神】を鍛えていきます。
想像して下さい。あなたのお子さんにとって一番最悪な状況とは、コミュニケーションが苦手、社会にこのまま出すのが心配な学力やコミュニケーション力ではなく、「壁にぶつかったときにすぐに諦めて逃げてしまうメンタルに育ってしまうこと」ではないでしょうか?
また03.頑張っても出来ないことを『頑張れ!頑張れ!』と言われ続けるのは、発達障害を持つ人でなくても苦痛なことです。個人的にはそこは、こんな時代なのでパソコンや支援者など外付けのデバイス(補助機関)に助けてもらいながら、結果として辻褄が合えばいい、つまり、頑張る必要はないと考えています。
まずはお子さんの特性が01.なのか02.なのか03.なのかを、心理検査等根拠を持って仕分けしていくことが重要であるとお伝えしています。
まずは、発達障害と一口に言うだけではなく、個々人の個性を把握し、得意なところ、苦手だけど頑張ると出来るようになるところ、頑張ってもやっぱり苦手なところをきっちり仕分けることが一番大事なことです。
各カリキュラムの最初には必ず概要を付けておきますので、まずはそちらをしっかりと読み、ご理解頂いてから、本カリキュラムに進むように意識して下さい。
第1回CURRICULUM
カリキュラムにおけるご注意
注意
カリキュラム内容については、随時アップデートしていきます。そのため、改善点を含めた変更点が出て来る場合がございます。予めご了承下さい。
スマホやタブレットからでもカリキュラムを受講することは可能ですが、パソコンからの受講をお勧めしております(一部プリントアウトが必要なものもありますので、その際にはプリントアウトしてお使い下さい)。理由については後述しております。
同じカリキュラムは出来るだけ同じページ内に収めるようにしています。それは、検索しやすくするためです。「Ctrl+F」を押し、検索したい文字を入力することで、カリキュラムを使いこなして下さい。
コミュニケーションスキルアシストトレーニング(CAT)について
コミュニケーションとは
コミュニケーションとは、他者と関わる際に、自分の意思を伝えたり相手の意図を受け止めるなど、他者との関わりのこと全般を指します。言葉でのやり取りも、文章でのやり取りも、ジェスチャーやアイコンタクトなど言葉以外のやり取りも全て含めます。そのため、コミュニケーションは日常生活を送る上で、重要なスキルであるのですが、学校の授業含め、どこかで教えてくれるものではありません。ちなみに学校現場では「友だちとの関わりの中で各自が自由に学ぶもの」という認識があるようです。
そしてどこでも教えてくれない=自然に身につくと思われている、コミュニケーションですがコミュニケーションが苦手な方たちにとっては、学ぶ場所がないというのが一番困るところなのです。コミュニケーションの苦手さというテーマにおいて、発達障害に焦点が当たりがちですが、赤面症、吃音、過緊張など、発達障害以外の理由で上手くコミュニケーションが出来ない人たちもこの世の中にはたくさん居ます。また発達障害も最近注目されているからなだけで、昔から「寡黙であまり話さないオヤジさん」や「気に入らないことがあるとヒステリーになり、一気にまくしたてるおばさん」など、少し前までは彼らを定義する言葉がなかっただけで、どの時代にも一定数、そういったコミュニケーションが苦手で、今診断を付けるなら発達障害と呼ばれる方たちが居ることが明らかになっています。ですので、発達障害であることが特別なことかというと、そういう訳ではありません。
そして本教材では、コミュニケーションをあらゆる角度から分析し、そして分かりやすい形で身に付けていくという学習カリキュラムで進めて行きます。
「コミュニケーション能力は上がったり、治るものなのか?」よく受ける質問です。
コミュニケーションスキルアシストトレーニング(以降CAT)についてご説明する前に、一度共通理解が出来るよう、コミュニケーションに対する考え方について、説明します。
無料入塾説明会でも説明していますが、コミュニケーションを能力(以降ステータスと呼びます)と考えると、非常にアプローチしにくいです。なぜなら、大概の場合「うちの子のコミュニケーション能力は良くなったり、治りますか?」という話になるからです。それに対する答えは『残念ながら脳の一部の機能不全なので治るということはありません』という回答になり、そもそもこの質問には、あなたが望むような答えは存在しないからです。
もう少し噛み砕いて例を挙げて説明しますね。

ドラゴンクエストというゲームがあります。
経験を積み、レベルアップすることで、この図に書いてあるちから(8)やすばやさ(5)という数値が上がっていきます。戦士など前に出て戦う職業では、ちからやみのまもりというステータスが上がりやすく、魔法使いのような後方支援、もしくは後方から大きな魔法を使うような職業では、かしこさという数値が上がりやすく設定されています。
今回は説明の都合上、ここにコミュニケーションりょくというステータスがあると考えて下さい(実際のゲームには存在しないステータスです)。このコミュニケーションりょくは、発達障害という職業についている方はレベルが上がっても、数値として上がりにくいステータスとして設定されています。極端な言い方をするとレベル99(レベルMAX)にまでなったとしても、ステータスとしては1上がるかどうかという成長率になります。
ですので、コミュニケーションをステータス(能力)と考えることや治るという考え方をすることは、今日を境に辞めるようにしましょう。能力と捉えている限り、ずっと出口はない方向の考え方だからです。
またコミュニケーションは出来るに越したことはないかもしれませんが、苦手なものは苦手なものとして割り切り、コミュニケーションが必要な場面は最小限にするという考え方も大事なことです。出来ないところにこだわり、出来るようになるまで頑張ろうではなく、「コミュニケーションの中でも出来そうなところは頑張る」であるとか「コミュニケーションは仕事をする際に困らない程度で十分であると割り切って考える」ことも必要な考え方です。全てを追いかけることで、出来ない自分を意識することにもなりかねませんので、自分にとって必要なコミュニケーションとはどこまでか、その境界も意識してみて下さい。このあたりのことについてはカリキュラムでも扱っていきます。
では、コミュニケーションステータスが上がらないなら、努力しても無駄で、何も出来ないのかというとそうではありません。コミュニケーションをステータスとして捉えないことはあくまでスタート地点です。
ステータスではなく、コミュニケーションはスキルであると考えていくのです。そう考えていくことで、コミュニケーションは改善を望むことが出来るようになるからです。
スキルは後天的に身に着けられるものですので、経験を積むことで、適切な対応が出来る頻度が高くなっていきます。くれぐれも誤解をしないで欲しいのですが、コミュニケーションスキルは身に付けたから劇的に一気に変わるというものではなく、経験を積み、ポイントを貯めていくことで、少しずつ変化していきます。ゲーム上では、貯めたポイントをコミュニケーションスキルに割り振る感じです。

最近のドラクエでは、成長することでレベルアップ(ステータスが伸びる)はするのですが、それ以上に、職業ごとに得られる「スキル」というものが重要になってきています。例えば、この例では、180P(ポイント)というスキルポイントを、何に割り振るかを自分で決められるのです。今回は片手剣スキルに割り振っていますが、13Pでドラゴン斬り、35Pでミラクルソード、100Pでギガスラッシュを覚えられます。スキル名はここでは意味がないので、忘れてしまって大丈夫ですが、このスキルポイントを何に割り振るのかというのが、コミュニケーションのスキル獲得という考え方です。
つまり、あなたやあなたのお子さんが日常生活で得た経験値を、スキル獲得のために割り振っていくのです。そうすることで、例えコミュニケーションのステータスが低いものであったとしても、スキルで十分強敵(難しい相手)とも渡り合うことが出来るようになるのです。
大事なのは結果です。コミュニケーション能力が上がらないとしても、コミュニケーションスキルを獲得したり、そのスキルレベルを上げることで場面に合わせて、コミュニケーションを上手く取り、やっていくことは十分可能なのです。考えても上がらない能力ではなく、頑張れば結果が出やすいスキルを身に付けたり、スキルレベルを上げることに目を向けることで、随分生きやすくなるのです。
焦点を当てるべきは、頑張れば結果が出やすいところに意識と努力を向ける、ただこれだけのことです。具体的な方法については、今後のカリキュラムで例を挙げながら伝えていきますね。
具体的なコミュニケーションスキル獲得の方法はCATで説明していきますが、根本となる考え方は、コミュニケーションの分解とパターン化です。コミュニケーションとは何か?という問いに対する答えですが、それはコミュニケーションを構成する要素を1つ1つ見定めて行き、行動レベルで分解していくことです。要はコミュニケーションを家だとすると、建築資材に分解してしまうことが分解です。分解した後、「こう言われたらこう返す」という理想的、もしくはその時点での最適解を毎回同じように返答していきます。習慣化するまで繰り返すことでパターンとして身につけられます。パターン化することでこなれてきてスムーズに出来るようになりますので、コミュニケーションそのものへの苦手意識も減っていきます。何よりも大事なことは、当事者の方にとってのコミュニケーションへの苦手意識を取り除き、「どんなことを言われても、分解とパターンで対応出来るから大丈夫」と思えるようになることです。
コミュニケーションを構成する要素に分解することで、当事者は「今何を求められているのか」が分かりやすくなり、また、最適解を導く時に、遠回りをせずに済むようになります。また分解することにより、記憶しやすくなり、今後同じような場面になったときに、少なくとも同じような間違った対応はせずになり、望ましい対応をする率が高くなります。
まずコミュニケーションは、「情報発信」と「受信」とに分けられます。情報発信は伝えることですが、相手に伝えるためにはそれ以前に思考をまとめることや適切な言葉を選択すること【など】から成り立っています。受信は相手の言っていることを理解したり、それ以前に言われたことを間違いなく覚えていることから成り立っています。本来は意図を読み取ることも含まれるのですが、こちらについては詳細な説明が必要となりますので、後述します。
分解をする際には、出来るだけシンプルで、小さなまとまりに分けて行くことが必要です。「発信と受信」などのような反対の意味のまとまりや3つほどの重要ポイントを絞っていくのです。このように自分にとって分かりやすい、まとまりを作って行くことにより、当事者の方もどんどんあらゆる状況に対応可能になっていくのです。
これまでお伝えしてきたように、コミュニケーションを分解していき、それら1つ1つに対する最適解を準備しておき返答する、さらにそれを習慣になるまでパターン的に繰り返ししていくことが必要です。その際にはご自身のこだわりや、既に獲得しているパターンもあるかと思いますが、コミュニケーションをスキルだと割り切れるようになると、反射的に答えたい内容(元々持っているそれまでの古いパターン)とその場に適した内容(CATにより身に付けたパターン)の両方が瞬時に頭に思い浮かぶようになり、どちらの選択をしたほうが自分が得をするのか、あるいは損をしないのかを考えるようになり、徐々にその場に適した内容での応答が増えてくるようになります。
まとめ
CATでは、分解とパターン化をお伝えします。コミュニケーションを構成する要素に分解し、さらにそれをご本人に分かりやすい形で、望ましい回答をお伝えしていきます。それを繰り返すことで、それまでは1つのパターンしかなかったものが、ご本人の中に選択肢が生まれるようになります。慣れてくると自分でも分解をし、選択肢をいくつか持てるようになるでしょう。特にご本人が困りやすい場面をピックアップしていき、それを元に例を挙げながら、分解の仕方やパターン化の方法をお伝えしていきます。
CATを通してあなたやご本人のコミュニケーションスキルを獲得、さらに伸ばし、より生き易い生き方を手に入れて行きましょう!
Communication skill Assyst Trainig CAT PC活用編
コミュニケーションとは
PCでなくても、スマホ、タブレットなど記録が出来るものであれば、なんでも大丈夫ですが、長い目で見ると性能のよいノートパソコン(CPUがCorei7、メモリが8G以上のもの)が一台あると便利かと思います。お勧めは軽さ重視ならレッツノートのプレミアムエディション、コスパ重視ならレノボ製のPCです。
ただ自己管理出来ないのにパソコンを持つとインターネットやゲームばかりしてしまうという場合であれば、それは各ご家庭のルールに沿って使っていただけたらいいと思います。
以降は自己管理はある程度出来ていて、あるいは家庭のルールによりある程度コントロール出来る(例えば、有線のインターネット回線はリビングまで引き、その先のWi-FiはモデムのON/OFFで保護者が切り替えられる等)前提で進めて行きます。
- ①多くの情報が記録出来る(自分で覚えなくてもいい)
- ②読みやすい字として記録される
- ③後から検索が出来る
- ④後から読み返しが出来る
- ⑤=後から修正が出来る
- ⑥慣れてくると、手書きよりも早く記録が出来る
- ⑦ソフトにより汎用性が広がる(目的や自分の特徴をカバーするのに適したソフトやアプリがたくさんある)
- ⑧そのため、マインドマップソフトなどを使うと思考整理が最速で出来る
などです。発達障害を持つ方たちの困り感として多い、
すぐに忘れてしまう
情報があちこちに散らばっており検索に時間がかかる
字が汚くて読めない
慌てて話すため、言っていることの意味が分からない
何回も書き直すために作文が苦手である
と言った困り感が、PC一台で解決することが多いです。
一方で、慣れていないと苦手意識からずっと触らず、「未だにスマホも上手く使えなくて」という方も居られます。そうならないためにも、まずは、早期にPCを「当事者の方の出来ないことをサポートしてくれるツールであることを認識して」導入されることをお勧めします。
ガラケーがスマホに、パソコンがタブレットでも代用出来るようになったりと、しばらくしたらツールは変化をしていくかと思いますが、ホームページ(以下HP)などをPCで作成するという性質上PCは当面なくならないツールだと思われます。そのため、PCに慣れておくことは、今後のその方の人生の生きやすさに繋がって行きますので、是非早めに慣れさせてあげたらと思います。
中でも、PCを使って、文章を書く力は発達障害の方のコミュニケーションスキルを補助してくれる大事なツールになります。是非抵抗感をなくし、触れる機会を増やしてあげてください。
また分からないことを何度も尋ねられると人間なら嫌がりますが、グーグル(先生)は何度質問されても怒りません。何度でも正確に答えてくれます。1つのことにこだわりがある方にとっては、PCはよい先生にもなりえます。
デジタルネイティブ世代である現代ではSNS等を使い、情報発信には慣れていそうに見える一方で、自分の思考をまとめたり、読み手のことを考えたり、そのために後から推敲するスキルは身に付けないままに成長していると言えます。そのため、まずはテーマを1つ決め、ブログやHPを通して情報発信をしていくことが、1つの目標となります。
というのも、最初に向かうべき目標の設定をしないと、ブログやHPで情報配信となっても、モチベーションが湧かず、継続した行動になりにくいからです。元々文章を書くことが好きな人以外は、目的を定めてからの方が走りやすいかと思われます。特に今後カリキュラムでお伝えしていきますが、文章を書くことが「お金」に繋がる仕組みがあります。グーグルが提供しているサービスなので、安心安全なのですが、まずはこちらで、お金を稼ぎ、そのお金がご本人の小遣いにもなる、そんな感じからスタートすることがやりやすいかと思われます。
ちなみに他のカリキュラムでも述べていますが、金銭含めた得られる物が自分にとって「得か損か」という考え方は、発達障害を持つ方にとっては非常に響きます。今回のように目標設定の場面や、身に付けてもらいたい行動がある場合に、覚えておいて下さい。
ブログやHPと言っても、最初はほぼ読者も居ないと思われますので、好きに書いてもらえば大丈夫です。ただ自分や友だちの個人情報から、誰が書いているか特定されることもありますので、そこはイニシャル等や地名、年齢、性別、等を上手にごまかしながら書くようにします。
また当たり前のことですが、本名を名乗る必要もありません。個人的にですが、後々ビジネスネームにすることを考えて、本名と音の響きが似ているものを(ビジネスネームの)名字に、名前は好きな名前を付けることをお勧めしています。例えば、「伊藤」であれば「美東(びとう)」とか、「山田」であれば、「八幡(やはた)」とかですね。使用している漢字は微妙にズラす方が安全かと思われます。
一番簡単なのが、自分の興味があることを書いていくことだと思います。例えばレゴであったり、ゲームであったり、鉄道であったり、興味があるものであれば、なんでも構いません。最初は文章を書くことに慣れていきましょう。
これも自由であってもいいとは思うのですが、やはり書くからには、何かしらのリアクションがある方が楽しく書いていけると思われます。そのために、意識しておくとよいことを注意点としていくつか挙げておきます。
- ①誰に向けて書くのかを決める
- ②どんな立ち位置から書いているのかを決める
- ③読み手の利益(これをベネフィットと呼びます)を意識する
これらを意識して書けるようになると伝わりやすい文章になります。一つずつ説明をしていきましょう。
①誰に向けて書くのか
いわゆるターゲットと呼ばれるものになります。文章を誰に向けて書くのかというのは、文章を書く上で非常に大事なことになります。ただ最初はあまり意識せず、思ったことを書いていけば大丈夫です。ターゲットとして一番分かりやすいのは、自分と同じ年代、性別、同じことに興味を持っている、ただ同じ地域に住んでいない友人に向けて書くようイメージすると書きやすいかと思います。
またその際、相手に伝わるために、専門用語を使いすぎていないか、この情報は相手には当たり前の情報なのかそうではないのか、何を伝えたいと思って書いた文章なのか、などをなんとなくでいいので考えながら書いていくといいでしょう。
②どんな立ち位置から書くのか
本当は「先生ポジション(その業界に詳しくない人に、業界に詳しいあなたが教えてあげる立場)」からが書きやすいのですが、社会経験がない状態で先生ポジションから書くことはそれなりに大変なことだと思われます。そのため、最初は「ちょっと上の友人=先輩ポジション」で、1つ下の後輩に書く手紙のように書いていくといいと思います。
③相手の利益について
誰でもそうだと思うのですが、繰り返して読まれるものは、読み手にとって利益があるから読まれるのです。教科書がいい例ですね。ただ教科書は『面白いか?』と尋ねられたら、面白いものではないと思います。そこで、目指すべきは、あなたのブログやHPにおける文章が『面白い教科書になっていること』、ここを目指します。
もちろん最初にお伝えしたように、自分の書きたいことを書いたらいいのですが、要は書き方のテクニックとして、「どうしたら相手が読みたいと思ってくれるか」そこを考えて行くことがトレーニングになっているとご理解下さい。
そのためには、一度書いたらそのまま文章をすぐに公開するのではなく、一度書いた文章を読み返すことをお勧めしています。
・自分が改めて読んで、読みやすいかどうか
・読んでいる相手にちゃんと伝わるかどうか
・使っている単語が独りよがりになっていないか
・接続詞(だから、よって、しかし、なぜならなど)や「てにをは」が適切かどうか
・文章の繋がりが飛んでいないかどうか
などを読み返す中で、推敲していくのです。
理想としては文章を書いてから一日ほど置いてから、読み返すくらいがちょうどいいかと思います。
読み返しをすることで、相手に伝わる文章を意識していくようにしましょう。
【注意】ネット回線について
インターネットを使って文章を書いたり、画像をダウンロード(文章に載せる用)などをしていくと、パケット代=通信費用が非常に高くなりますので、少なくとも家庭用回線を無線LAN化するようにして下さい。
「無線LAN ルーター」と検索すれば、色々出てきます。
http://kakaku.com/pc/wireless-router/
5,000円しないくらいの値段で、永久的に無線LANとして使えます。
要は、自宅まではフレッツ光など有線で回線を引き、そこから無線LAN(Wi-Fiと同義)化すればよいということです。ちなみに私はASUS製のものを使用しています。
http://kakaku.com/item/K0000960901/
そしてここからが気をつけて欲しいのですが、PCをお子さん専用にすると夜も作業を続ける(終わりにするのが難しい、または遊びに使い始めて夢中になっている)可能性があるため、PCはお子さん専用にする必要はありません。
もし専用機にする場合であっても、夜は就寝時間になったら無線LANの電源コードを抜く(こうすることで、パソコンはネットに繋がらなくなります)等で環境面からコントロールすることも必要です。
また同様の理由で、実はスマホも無線LANのルーターにすることが可能です(これをテザリング機能と呼びます)。そしてこちらのスマホルーターは当然パケット代金がかかりますので、月末にえらい請求が来る可能性があります。こういったネット環境のことは、お子さんの方が詳しい可能性がありますので、まずはPCの管理を保護者の方がすることを念頭に置き、またスマホも夜間は回収するようにすることをお勧めします。
PCに慣れるために
ブラインドタッチ
私達の世代はSkypeというチャットツールが流行ったために、遠方に居る友人と話すためにブラインドタッチが自然に早くなった経過があるのですが、現代では小学校からパソコン(以下PC)に馴染みがある世代なので、PCのブラインドタッチには一定慣れているかと思われます。
一方で発達障害をお持ちの方の中には「機械全般が苦手、PCが苦手、ブラインドタッチを覚えていない」とおっしゃる方も一定数居られます。
ですので、まずはブラインドタッチについてゲーム感覚で慣れるようにこちらのサイトをお使い下さい。
http://typing.sakura.ne.jp/sushida/
特にこのサイトのものに限らず無料のものであれば、どんなものでも構いません。
正直今後、音声入力やスマホやタブレットのようなフリック入力なども増えては来ると思いますが、正確にそして早く入力をしようと思った場合、PCのブランドタッチによる入力は、当分使えるスキルの1つです。
手先が不器用でというのはあるかもしれませんが、今後のカリキュラムの際に、PCを使った入力カリキュラムもあります。そのため、「苦手だからやらないで済むものではない」ということをご理解下さい。
基本的にPCには最初から文字入力ソフトが入っていますが、個人的にはGoogle Chromeを使う前提で、グーグル日本語入力という文字入力ソフトを使用することを推奨しています。
グーグル日本語入力
https://www.google.co.jp/ime/
MAC版もありますのでご安心下さい。
単語登録の方法
1.画面右下に表示されている「あ」または「A」を右クリック
※Macの場合は、上部のメニューの「あ」または「A」をクリックします。
2.「単語登録」をクリック
右クリックすると、このようなメニューが表示されるので、その中から「単語登録」をクリックします。
3.登録したい単語・文章の入力
「単語」に、登録したい単語や文章を入力します。
「よみ」に、短縮した読み方を入力します。
今回はそれぞれ、
単語→「舩曳です。いつもお世話になりありがとうございます。」
よみ→「ふな」
と入力しました。
ちなみに「ふな」という1つの読みに対して、「舩曳」「舩曳です。いつもお世話になりありがとうございます。」など複数の単語登録することも可能です。
登録した内容を変更・削除したいときは
登録した単語や文章を追加・削除したいときに「辞書ツール」を使用します。
1.画面右下に表示されている「あ」または「A」を右クリック
※Macの場合は、上部のメニューの「あ」または「A」をクリックします。
2.「辞書ツール」をクリック
右クリックすると、このようなメニューが表示されるので、その中から「辞書ツール」をクリックします。
3.単語や文章の追加・削除
「今まで登録した単語や文章が表示されます。
削除する場合、削除したい単語や文章を選んで「削除」をクリックします。
OKであれば「Yes」をクリックして完了です。
辞書ツールから単語や文章を追加したい場合は「追加」をクリックすると、最後の行に空欄が表示されますので「よみ」「単語」を入力し「品詞」を選びます。
自動保存のため、入力すれば完了です。
使いこなして時間短縮!
Google日本語入力の変換精度の高さにくわえて無料ということで、今後ますますユーザーが増えるのではないでしょうか。
ちなみに「おみくじ」と入力すると、今日の運勢が占えます。遊び心もあり、いろいろ試してみるのも楽しいかも。
単語登録も少しづつ増やして、自分だけのオリジナル辞書を作ることでより時間短縮を図りましょう。
例えば、
・自分の名前
・メールアドレス
・よく入力する文字
・よく使うフレーズ
などは単語登録しておくことをお勧めしています。
例えば私の場合は「いきかい」と入力すると「生き改」と「info@ikikai.net」「http://ikikai.net/」とも出てきます。
このように面倒な作業を省くことが出来ますので、自分が普段どんな入力をしているのかを意識することで、作業の簡略化が出来ますので、ブラインドタッチを助けるツールとしてこちらグーグル日本語入力の単語登録や辞書機能を使ってみて下さいね。
Communication skill Assist Training(CAT)情報発信編
情報発信その1
コミュニケーションが情報発信と受信に分けられることは既にお伝えした通りです。情報発信において、発達障害の方が困難を感じるのは、一定量がある脳内の情報を、話す(情報発信)際には、全てを一塊のものとして扱っているのではなく、次々その場その場で場当たり的に対処しており、その結果話が長くなったり、何を言っているのか自分でも分かりにくくなっているためです。
図に書いて少し説明してみましょう。
一般的には発達障害がない、あるいは薄い方は、ある程度のまとまりを持って情報発信することが出来ます。要は相手が聞きやすいように話すことが出来るということですね。
しかし、発達障害の方は、上記の図のように、Aを言うために、左下のDから話し始めます。なぜなら、多くの発達障害の方は、時系列に話そうとするため、Aを言うためには事の発端であるDから話す必要があると考えるためです。DやEを話しているうちはいいのですが、話しているうちに「あることが気になり始め」ます。それはCであったり、Dの前提となるD’やD‘’が気になってくるのです。また、主語が変わっても、言いたい気持ちが先行しすぎて、そのまま主語が変わったことを告げずに話し続けることもあります。また順番ですが、D→E→Bと進み、Aに至ればいいのですが、Bまで行ったにも関わらず、そこから急にFやGの話が始まるので聞いている方としては、話が変わったことも分からず混乱してしまいます。
全ての原因は、メモリが小さいこと、これに尽きます。メモリが小さいために、これらA~Gまでをひとまとまりの情報としてではなく、その時話している情報に自分の全精力(メモリ)を全て割り振っているのです。そのため発達障害の方にとっての情報発信は「素材のまま」なのです。調理はされていません。そのため、出された方は『これは何の料理を作ったの?』という気持ちになり、言葉としては『何が言いたいのか分からない』ということが起こります。
では調理が出来ないかというと、そうではなく、その方なりには一生懸命料理はしているのですが、味見(情報発信したことの振り返り)をしないために、醤油が足りないとか、味が薄いとか、出汁を入れ忘れたとか、結局自分がどんな料理を作ろうとしていたのか=何を伝えたかったのか分からなくなってしまっているのです。また今はAという1つの話(料理)だけでしたが、同時にいくつものことが入り組んだ話をしようとすると、どこから話したらいいか分からなくなってしまうということが起こるのです。
ですので、聞いている方としては、発達障害の方は情報を生のまま(相手が食べやすいようにではなく、とりあえずその場で思いついたもの)を出すということを前提に考える方が接するほうとしても楽ということになります。
また、一番大事なことですが、上記のようにまとまりを作っていくことを意識するためには「Aという結論から話し始めること」です。結論から話し始め、そこから「なぜなら」と徐々に下に下がっていくと、聞いている方は聞きやすく、途中で切ることもしやすくなります。
メカニズムとして発達障害の方のメモリの小ささを理解すると同時に、結論から言うことの癖を身につけるようにしていきましょう。
入塾説明会の特典としてプレゼントしたこちらを使ってみるのもいいでしょう。
上記したような経過があるため、「内容にまとまりを持たせたい」と考えることは自然な流れなのですが、順番として、まずは情報発信の適切なタイミングを学ぶことがCATのファーストステップになります。
なぜなら、発達障害における一番嫌われる原因が「相手の話している話が終わる前に自分のタイミングで話し始める」ということだからです。もちろん家族など元々ご本人の特徴が分かっている関係性ではいいのかもしれませんが、学校や職場など、社会に出てからは、相手の話を遮って好きなことを話す人のことを、人は「マイペース」や「わがまま」というレッテルを貼りがちだからです。そのため、最初は話し始めるタイミングをちゃんと見定めることが、相手から嫌われないためには一番大事なことになります。はっきり言うと、自分が話しているときに被せて訳の分からないことを話して来る人よりも、寡黙であまり話さない人の方が嫌われる率は減ります。まずは嫌われない、場に居ることを受け入れてもらえることを目指す必要があります。
ではタイミングはどうやって見定めたらいいのでしょうか?
まずはなぜ、発達障害の方が割り込んで話し始めるのか?発達障害の方が割り込んで話すことには2つの理由があるのです。
①は「忘れてしまわないか不安」という気持ちがありますので、それを解消するのは当事者の意識だけではなかなか難しいです。ですが、たった1つの方法で、解消することが出来ます。それは、
これだけです。要は話したくなって、忘れてしまいそうなことを、メモに書いて記録しておけば安心出来るようになります。もちろん理屈が分かっても話したい気持ちはあるので、止められない場面もあるとは思いますが、そのことを知り、意識することで、徐々にメモを取る行動は増えて行きます。単語だけだとどんなことを言いたかったか忘れてしまう可能性があるため、可能な限り「何の話のときに、○○と思った」と書いておくといいでしょう。
そのため、まずは小さなメモ用紙(やスマホなどの外部記憶媒体)に話したいと思ったことは書き込むようにトレーニングしていくことを少しずつ覚えていきましょう。
それから②の衝動性をコントロールしていきます。衝動性のコントロールの一番簡単な方法は服薬ですが、それを望まれない方も居ると思いますので、そういった方にはこのトレーニングをお勧めします。もちろん服薬とトレーニングの併用が一番効果的です。
それは、「話したいと思ったら『はい!』と手を挙げること」です。このスキルを身につけるだけで、対人トラブルは大きく減ります。ただこのトレーニングを導入する際に、当事者の方にはニーズがない(そうするよりも、いきなり話しだした方が自分にとってメリットが大きい)場合がありますので、保護者の方はお子さんとの関わりの際、以下の点を意識してみて下さい。
・まず事前に「話しを聞いているときに、自分(当事者)が話したくなったら、『はい!』と手を挙げること」を当事者とルール確認をしておいて下さい。
・当事者が話を聞いている立場であるときにも関わらず、話し手(多くの場合は保護者になると思います)の話を遮って話し始めたときには、手で軽く制して、話し手の話しは続ける。決して、「注意をしたり」「それはダメでしょ」と言って、話を止めない。
※)注意をする、ダメでしょと話を止めることが出来れば、当事者にとっては、自分の話が出来るというメリットが生まれます。
・最初はそれでも当事者は話し手の話を遮って入ってくると思われますので、その場合は上記の例のように徹底的に、当事者ペースに巻き込まれず話を続けましょう。当事者が「はい!」と言い、手を挙げたときのみ、応じる回数を増やして下さい。もちろん全ての「はい!」に対して応じる必要はありませんが、「はい」と挙げた時には出来るだけ、話し手の話が途中でも話をさせてあげるようにして下さい。
このようにすることで、適切なスキル「待つ」と「タイミングを見て話に入る」を身につけることが出来るようになります。
「待つ」「タイミングよく話に入る」スキルを身に付け、状況を見ることが少しだけですが、出来るようになってきた後のことをお伝えします。
それは、自分(当事者)が話している時に、相手(聞き手)に会話を譲るということです。これは本来であれば、かなり先に学ぶスキルになりますが、それこそ知識として知るタイミングとしては、このタイミングが一番良いので、合わせてお伝えします。
話しているうちに余裕がないと難しいとは思うのですが、相手が話したいと思っているかどうかを見極めるスキルになります。
・相手が息を吸う(話し始める前には人は息を吸うため少し顎や額など頭部を少し後ろに引
・話し手の目を見ている(話したいことがある人は、話し終わるタイミングを見ている)
・メモを書いている(上記トレーニングをしている人にとっては、メモを書いているのは何か話したいことがあったときだと理解されているかと思います)
最初からこのレベルの「会話を譲る」スキルを身につけることは高度かと思いますが、知っておく分にはいいかと思われます。特に友だち関係等で、この1つでもスキルを知っていれば、コミュニケーションを円滑に進めることが出来るようになります。すぐには出来なくとも、知識として知っておくとよいでしょう。
譲る際には一言「どうぞ」と添えると相手にいい印象を持ってもらいやすくなりますよ。
天才教室
一点集中
今後学んでいただく、全ての天才教室カリキュラムの根本であり、本質の内容になります。エネルギーの扱い方(特に向け方や配分の仕方)を学び、集中力のコントロール方法を学ぶことが出来ます。全ての基礎になりますので、可能な限り毎日継続するようにして下さい。
速読
入塾前の案内でもお伝えしているように、速読が可能になることで発達障害を持つ方は大きなアドバンテージを得ることになります。それは、同じ時間が与えられた時の情報量の多さです。
つまり、臨機応変に対応することは確かに苦手かもしれません。ですが、発達障害の方は興味を持ったことに対しては人一倍の集中力を発揮しますので、速読をマスターすることで、同じ時間でも、興味がある内容について得られる情報が2倍、3倍、あるいは100倍以上になる可能性を秘めています。
智恵ではなく、知識で勝負、そんなイメージでしょうか。知っていることを厳密に覚えることが得意な方が多いですので、まずは速読をマスターし(と言っても、今の2倍~5倍程度のスピードになるだけで随分変わると思います)、得られる情報量を増やしていきましょう。そうすることでお子さんの能力が花開く可能性は非常に高くなります。
速読の基本は、この丹田呼吸法です。
この呼吸は古くから体の根本であると言われる、下丹田(へそ下約3~5センチの背中とお腹のちょうど間の部分)で行われる深い呼吸です。この部分に息を吸い込み、約2倍の時間をかけてゆっくりと吐く、これが正しい呼吸法です。
まず目を軽く閉じ、あごを引き、背筋をまっすぐにして、正しい姿勢を取り、全身をリラックスさせ、心身ともに安らかな、静かな状態を保つようにします。呼吸は細く、長く、静かな呼吸です。鼻で吸い、鼻から吐きます。肺活量の少ない方(体格的にまだ小さい方)は約4~5秒で吸い、約8~10秒かけて吐きます。大人の場合は6秒かけて息を吸い、12秒かけて息を吐きます。このとき、音の出ない呼吸を意識しましょう。
丹田呼吸法により、耐久力や持続力が強化され、一点が確実に大きく捉えられるようになります。
まずは真ん中に赤い丸が描いてある、一点集中用紙をカラー印刷でプリントアウトします。その下は白い机か台、または用紙を敷くようにしましょう。
多少の変動はあるかと思いますが、日々継続することで、緑の丸が見える時間は長くなっていきます。これは集中力のコントロールが出来てきている証拠なので、その記録は必ず取るようにしましょう。また過去の自分との比較ですが、不正やごまかしには意味がないことをご本人が理解をされてから始めることが重要です。基本的に発達障害の子は素直な方が多いので、ちゃんと説明すれば分かってくれるかと思います。体調によっては見える時間が短くなる場合もありますが、それは気にしなくても大丈夫です。
やること自体はとてもシンプルで「残像を見続けるだけ」なのでいつでもどこでも実施が可能です。ただし、落ち着いて集中出来る場所でやるようにしてください。これにより、落ち着きを身につけることも出来るようになりますので、日々継続していくようにしましょう。
発達障害理解
発達障害教育の大原則
生き方改革塾カリキュラムの全内容に関係してきます。基本的にはコミュニケーションは
・情報発信(伝える)と情報受信(受け取る・理解する)
というように分解していますが、この他にも情報を見て受け取るのか、聞いて受け取るのか、また発信する際にも、文字にするのか言葉で話して伝えるのかというものがあります。
発達障害の方を教育する際にポイントとなるところなので、図に書きながら説明をしたいと思います。
図にすると以下のような形になります。
この図は、一般的な情報の入力と脳内処理、そして出力を表したものです。
入力とは、どのようにしてその人が情報を受け取るのかということ。
ここで発達障害の方には大きな特徴があります。
それは、ほとんどの方が、「視覚入力優位(視覚で情報を提示された方が理解がいい)」ということです。
この話をすると、『うちの子はディスレクシア(読字障害)なので』とおっしゃる親御さんもおられるのですが、そういうことも含めて、目で見て理解をされる方が得意な発達障害のお子さんが多いのです。聞いた話しはほとんど忘れてしまっていても、見たことは一部であっても覚えていることが多いです。余談ですが、ディクレクシアのお子さんは文字を【絵】として認識しているところがありますので、逆に絵で提示されると細かいところは理解が難しいとしても、大まかな状況は伝えやすいことが多いです。
さて、話を戻して例を挙げてみましょう。
例えば、10分という時間があり、それを発達障害があるお子さんが、すべきことをしなかったということに対して、保護者であるあなたは注意やしつけをしようとする場面を思い浮かべて下さい。
この10分間を普通は、説諭にあてるかと思うのですが、何回も同じ注意をしないと行けないと言う意味で、『うちの子は何度言っても聞かないんですよ』とおっしゃる親御さんからのご相談が非常に多いです。
実はそれは当たり前のことで、発達障害のお子さんは、その瞬間瞬間に生きているので、言葉(音声情報)のようにすぐに消えてしまうことは、【なかったこと】にすぐになってしまうのです。それは聞いていない、理解出来なかった、誤解している、ごまかすために嘘をついていること、など全てを含めます。
いずれの場合にしても、10分の時間を使って、100の言葉を費やして、いかにその行為がダメで、次にこういう行動を期待していて、こうするのよと冷静に伝えたとしても、実際残っているのは、1か2あればいい方です。なぜなら、上記したようにそれは聞いていない、理解出来なかった、誤解している、ごまかすために嘘をつくことがあるからです。
またお聞きしたいのですが、「説教の最中に保護者の言葉尻や、その単語、言い回し、論理の展開など、本当に伝えたいこととは全く別のことにお子さんの注意が向いてしまい、その脱線を元に戻すのに時間やエネルギーを費やすことはないでしょうか?」
この言葉にはほとんどの親御さんが『そうなんです!』と大きく頷かれます。
結局話し言葉だけだと、一番伝えたい論旨(目的)よりも、別のこと、伝え方や言い回し、単語(手段)の方が気になってしまいやすいのが、発達障害の方の特徴です。ですので、脱線から話を戻すだけでもエネルギーが必要なことが分かっているため、一層言葉だけで済ませてしまおうとする気持ちがあなたに芽生えているのかもしれません。
さて、話を戻して、では同じ10分を紙に文字や絵を書いて説明したらどうなるでしょうか?
基本的には紙に書き始めると、注意はその紙に書いてあることに向けられることが多いです。
起こった事実(お子さんが取った行動)、それによって引き起こされた結果、それが関係した人にとってどんな意味を持つか(カッとなって友だちを叩くことによって、相手が感じる感情や、そこから予想される反撃や仲間はずれなど)、そのことは発達障害を持つ方本人にとって得か損か、どっちがいいのかを選ぶ(私はよく天秤にこの両方の結果を乗せた絵を描き、選んでもらいます)という流れを、視覚的に提示することで、伝えたい情報は継続して残りますし、その前の論理の展開も視覚的に見て明らかです。
また脱線をしかけた場合も、少し黙った後、『でね、この続きなんだけど』と脱線に付き合わないことで、無理に脱線から引き戻さなくても、スムーズに前の流れに戻すことが容易に出来ます。
時間的に同じ10分である場合、書く手間がかかりますので、10の情報しか伝えられないかもしれません。しかし、この方法だと、7か8くらいは本人には残っているのです。
話す(聴覚情報):100の情報は伝えられるかもしれないが残るのは1か2
書く(視覚情報):10の情報しか伝えられないかもしれないが残るのは7か8 |
ならどちらの方が効率がいいでしょうか?同じしつけとして行うなら、残るものが多い方が効果的だと思いませんか?
またこの方法のいいところは、説明した用紙に日付(と場合によりますが、本人が理解した証拠として説明した人と受けた人がサインをする)を書いておくことで、「え、そんなん忘れたし、言われてへんし」という状況を避けることが出来ます。
余談ですが、発達障害を持っている場合、一度逃げることを覚えると、次も使ってくることが多いため、説教する方も嫌になってくるという悪循環を生み出します。そのため、叱るなら、ちゃんと筋道を立てて、逃げられない状況で、きっちりと正しい行動を伝え切ることがとても重要になってきます。
このように発達障害の方に何かを伝えるときには視覚入力が優位であることを理解した上で、伝え方を工夫していくようにしましょう。
それでは第一回目の達成度(困り感)チェックを以下から始めて下さい。
全50問あります。落ち着いて取り組めるよう、静かな環境で取り組んで下さい。
生き方改革塾 塾費用回収マニュアル
上記達成度(困り感)チェック完了後から取り組んで下さい。