月別アーカイブ: 2017年12月

困り感がない発達障害のパートナーのお悩み

今回は成人の方の発達障害の困り感の番外編として、発達障害のパートナーを持つ方の困り感について、お話したいと思います。

 

実は、大人の発達障害の問題の多くは、職場でのコミュニケーションと、パートナーとのコミュニケーションの2つに分けられます。

 

今まで職場でのコミュニケーションについては、JIJICOさんでのコラムの方でも書かせていただきました。

 

そしてご家庭で発達障害の方がパートナーであるがゆえの困り感をいくつか挙げてみたいと思います。

 

発達障害を理由に働くことを放棄した方

最初はご本人が職場で上手く行かない、または不適応な状態が続くということでご相談を受け始めました。

 

その際、パートナーの方も来られている場合もありますので、時間が許す限りパートナーから、客観的な情報も得つつ、パートナーの方の愚痴も聞き、ガス抜きをしてもらうということも意識しています。

 

そうすると、よかれと思ってパートナーを支えていたのですが、パートナーからの圧力がなくなることにより、発達障害を持つ方は診断書や手帳を取った後、働くことに対して、前向きな気持ちを持たなくなるという現象が一部で起こっています。

 

これは一体なぜなのでしょうか?少しそうなるメカニズムについてお話したいと思います。

 

閉じたコミュニティでは自分は傷つかない

要はゆでガエル状態ですね。そのままが居心地がいいので、あえて傷ついたり、しんどいことを言われる、家以外のコミュニティに出て行きたくなくなるようです。

 

では生計はどうしているかというと、発達障害を持っている方が旦那さんで休職であったり、退職をすると、収入が減ったりなくなったりして困りますので、結果的にパートナーである奥様が働き始めます。

 

それが1ヶ月も続くと、発達障害を持つ方は傷つかない環境が完成してしまうので、あえて働きに行かなくなるということです。

 

もちろん困り感を持たせるために、それとなく気づきを促すのですが、結果的に衣食住娯楽が満たされて、一度止まってしまうと次に動き出すまでにエネルギーが必要なこともあって、そのまま立ち止まってしまう方も居られます。

 

そのため、発達障害がベースにあるうつ病や神経症の場合は、受容と厳しさのさじ加減であったり、面接の間隔の調整に配慮することが必要です。

ただこれがご本人が「私は傷ついたので」という御印を掲げている限り、状況改善はしないので、治療者側の問題だけではなく、ご本人自身が発達障害のことや特性を十分に理解していないときに起こってしまうことが多いように感じます。

 

再び動き出すには

先程も少し触れましたが、物体も人間も慣性の法則があります。

 

【動いているものは動き続けようとするし、止まっているものは止まり続けようとする】

 

のです。そのため、完全に止まり切る前に、仕事までは行かなくても、ルーティンワークとしての日々することを決めていく必要があります。

 

しかもそれは毎日決められた時間にすることであり、日々同じことをしていく必要があります。

 

起きたい時間に起きて、その時思ったことをすることを「ルーティンワーク」だと言う方が居ますが、これは大きな間違いです。

 

我々治療者からは、まずは起きる時間(最初は無理のない範囲から始めます)、起き続ける時間(多くの発達障害とうつ病を併発している方は結構早い時間から眠くなるようです)、日課として毎日負荷が少なく出来ることとして、散歩、掃除、料理、ジム通い、図書館通いなどを提案することが多いです。

 

そうやって、完全に止まり切る前に治療を始めることで発達障害を持つ方が、楽な閉じた世界に閉じこもることを避けることが出来るのです。

 

悲しい結果

発達障害を持つ方のパートナーの多くは、我慢強いタイプです。そのため結果的に最後は燃え尽きて、パートナーを支えることに疲れ切ってしまいます。

 

また発達障害を持つ方も、閉じた世界に閉じこもることで守られているために、働いていたときのような困り感を失ってしまうことも多いです。

 

そのため、以前もADHD児童のコラムでもお伝えしたように、困り感を持ってもらうためには、ご本人の閉じた世界を開く必要があります。

 

働くニーズの再確認が一番直球なのですが、なかなか発達障害の方にそれをご理解いただくのが難しい場合があります。

 

なのでパートナーさんの困り感にもよりますが、一度距離を置いてもらう(生計も別々、生活も別々)ということも考えていただきます。

 

そうすることで、働くことの意味であったり、必要性を再認識してもらうのです。

 

もちろんご夫婦であるのに別居であることや、別居することにより発生するお金のことなどあるかと思いますが、その点は上手にお互いのご実家などを利用するなどして、建設的な関係のための別居であることをご理解ご協力いただき、巻き込むことも治療の一環としては大事なことです。

 

発達障害にとっての「継続は力なり」

カウンセリングで境界性人格障害(BPD)の方の治療でも「継続すること」の大切さは説明するのですが、今回は発達障害の方における「継続性の意味」をお伝えしたいと思います。

 

ここが腑に落ちるとお子さんの能力が一気に開花する可能性が高いですので、是非覚えておいて下さい。

 

すべきことを好きになる

一般的にはこちらの話をさせてもらうことが多いです。要は、

すべきこと(勉強や登校など)を好きになることの重要性

を伝えているのですが、発達障害のお子さんがこれをするためには、

 

①そのことを「自分がすべきことだ」と認識している。

②すべきことのことをよく知っている。

③すべきことの適切なやり方を知っている

④継続することの意味や継続後の姿をイメージ出来ている

 

が重要になります。

もちろんそこまで知的に高く、自己コントロールが一定出来る方も居られますが、一気にここまで要求をされることは、お子さんにとってのプレッシャーになるので、控えましょう。

 

ただ一般的には継続性に必要なことは、「すべきことを好きになる」、そのためにはとことんまで調べたり、極めようと思うこと、ここが大事であるとお伝えしています。

 

ハマっていることが好きなこと

今回発達障害のお子さんに対してお伝えしたいのは、今ハマっていること、寝食を惜しんでしているところに、お子さんが突き抜けるヒントがあるということです。

 

これは体験した人は分かると思いますが、夢に見るまで考えてハマっていること、それが専門的な研究であっても、部活であってもそこまでハマれるものは、かなりの部分でそのお子さんの発達障害の部分と響き合っているということです。

 

後に、その特殊技能の「見せ方」についてはお伝えしますが、まずは今ハマっていることがゲームであったり、マンガであったりするかもしれませんが、とことんまで、そのことを考えるようにさせてあげて下さい。

 

ただゲームであれば、【攻略情報】などは、情報を受け取る人からしたら、喉から手が出るのど欲しいものになりますし、マンガも単に読むだけではなく、その設定を膨らませたらどうなるのか?同時進行でこんなことが話として進んでいたら面白いなと思うものを、空想して膨らませていくのです。

 

そうすることで、お子さんの考えは単なる知識や空想だけにとどまらず、相手に伝えるための思考へと繋がっていきます。

 

ハマっていることを継続する

最初にお伝えしたように、すべきことを好きになり継続させるという、「社会に我が子を合わせること」が本来の意味です。

 

ですが、発達障害の方の固さは、その調整が出来ないから、社会適応する上で悩まれているわけです。

 

ですので、一度頭を切り替え、『自分のお子さんの一面を切り取り、それを社会が欲しがるように調整する』考え方をしてみてください。

 

そうすることで、お子さんがハマることも承認出来ますし、極めることも出来るようになっていきます。

 

一方で注意なのですが、寝食を惜しんでするということは、他の学校に行くことや授業中に寝ないなど、他の生活リズムを削る可能性があります。

 

その最小限のことは当然した上で、その上にハマれるものを見つけ、継続していくことが、発達障害の方にとっての継続性に繋がっていくのです。

 

コミュニケーションは能力ではない

一番多い相談は『うちの子のコミュニケーション力は元に戻るでしょうか?』というものです。

 

コミュニケーションを能力と考えている方はとても多いのですが、この考え方では出口が見つからない(欲しい答えは得られない)ので、いつもお伝えしているのは先が明るく見える考え方、そして具体的な方法についてお伝えしています。

 

コミュニケーションとは何なのか

もう何度も登場しているので、今回はあっさりと。

コミュニケーションとは、他者と意思疎通をする際に用いられる、言語・非言語のやり取り全てを指します。

 

言葉や語気、リズム、抑揚など言語に言及するものもあれば、雰囲気、アイコンタクト、ボディランゲージなど、非言語のものもあります。

 

発達障害の場合、特にASDのお子さんはこのコミュニケーションが全般的に苦手です。逆にコミュニケーションが苦手である場合、ASDという診断名が付きます。

 

他者との意思疎通で齟齬やすれ違い、あるいは誤解を受けるため、その結果いじめや、グループから浮くなどのしんどさがあり、コミュニケーション能力が弱いと判断されることが多いようです。

 

コミュニケーション改善の考え方

コミュニケーションは本当に能力なのでしょうか?

例えばASDも何もなく、狼に育てられた少年は自分を狼と思い、人間に保護された後もコミュニケーションを取ろうとはしなかったそうです。

 

逆に犬は飼い主が落ち込んでいたら、慰めようとしてくれますし、また構ってくれないとすねます。

 

ということは言葉ではなくても成り立つコミュニケーションは在り得るということになります。

 

生まれつき持っているものかと言われると、その生まれつき持っているものは、私はあくまで器に過ぎず、そこに何を入れていくかは後天的な環境によるものと考えています。

 

人は後天的にコミュニケーションを身につけるのであって、生まれつき出来るものではないと考えています。であるなら、コミュニケーションは生まれつきの能力ではなく、スキルなのではないでしょうか?

 

というのも、例えば異性の気持ちは小学生くらいまでの児童期にはいまいち分からなくても、徐々に異性に対する好きという気持ちが芽生え、それから恥ずかしいけど、仲良くなるために話すということを続けているうちにコミュニケーションが上手になっていくからです。

 

個人的にはコミュニケーションは生まれついてから一生変わらないものではなく、後天的に身につけることが出来るスキルだと考えています。

 

自己理解がスキル獲得への近道

スキルだと考えることで、誰でも身につけることが出来ます。

ただ発達障害のお子さんの場合は、「自分がしたいことや話したいことを優先させたい気持ち」が非常に強いため、そこの部分をご自身でも納得し、調整していく必要があるのです。

 

つまり、自己理解することがスキルを獲得しようとの原動力になり、衝動的に内側から起こってくる自分のしたいことよりも、場を見て、より適切な言葉やタイミングでコミュニケーションしていくことが出来るのです。

 

何より困り感がない方には自覚も自己理解もないため、なかなか内なる衝動性に勝つことが出来ません。

 

【まとめ】

コミュニケーションは後天的に身につけることが出来るスキルであり、それは、自己理解とともに身につけることが出来る、このことを覚えておいて下さい。

 

お子さん自身にニーズが出てきたとき、コミュニケーションスキルを少しずつであっても身に付けていくことが出来るようになります。

 

未来の自分に指示を出す

発達障害のお子さんは、例えばADHDと診断されていても、どこかしらASD(自閉スペクトラム症)の要素を持っていたり、逆にASDであってもADHDの要素を持っていたりするものです。

 

今回はよくご相談を受ける、よく物を忘れてしまうということについて、お答えしたいと思います。

 

発達障害のお子さんはなぜ忘れるのか

そういうものだからと言ってしまうと身も蓋もありませんが、ですが真実を一言で表すなら、そういうものだから、です。

 

ですが、もう少し詳しくお伝えします。

 

発達障害の大きな原因でもあり、理由でもあり、難しさでもあるのは、<メモリの小ささ>です。

 

メモリとは、パソコンやスマホ等で言われる、同時に処理出来ることの容量、を指します。

 

例えば、写真データよりも、動画のデータの方がたくさん容量を使いますよね?

これは、動画では、パラパラマンガであるかのように、写真データをたくさん保存しており、さらに音声データも合わせて保存しているからです。保存するデータの中には、『この画像の時に、この音声を流す』というように、画像と音声の整合性というものも含まれます。

 

これらを同時に処理しようとしたら、大変なので、誰しもあるように、発達障害の方は端折るのです。

 

端折るとは、『自分にとって必要と思った情報だけ』残って、他は綺麗サッパリ消去してしまうのです。

 

つまり、メモリ(同時処理で出来る容量)が小さいから発達障害のお子さんは忘れてしまう、ということが言えます。決して記憶力(記憶領域)の問題ではないのです。

 

対処法

ASDであれ、ADHDであれ、発達障害の方は基本的には命令されることは、心理的抵抗を非常に持ちやすいです。

 

はっきり言って、命令されることは苦手 です。

 

そこでこんな時代なので、スマホを含め、機械は非常に優秀になっています。

グーグルアシスタントというアプリを使えば、『OKグーグル、6時半にアラーム』と言うだけで、スマホ(Androidのみ、iOSは未確認)は認識し、翌朝の6時半に起こしてくれます。

 

つまり、苦手なことは機械にやってもらったらいいと考えています。

 

同じ要領で、カレンダーアプリを使えば、未来の自分に指示が出せます。

 

学校場面では難しいかもしれないですが、宿題があるなら、ノートに書いたものを、帰りの電車の中で、自宅に着く頃に宿題の科目とページがカレンダーに表示されたらいいだけですし、必要なものがあるなら、親御さんと会いそうな時間にカレンダーが通知される、または今すぐLINEで親御さんに「○月○日までに○○が必要だから用意して」と送ればいいわけです。

 

要は長期記憶に頼るくらいなら、機械やアプリを上手に使う方がいいということですね。

 

ただこれは、実際そのお子さんに困り感があり、また機械をある程度使えることが前提になっています。今後スマホ含めデバイスはもっと使いやすくなるかと思いますが、まずは基本的な機能を使えるだけでもいいので、必要以上に避けるのではなく、まずは抵抗がなくなるよう、日常的に困ったことを解決してくれるアイテムと認識してくれるようには使いこなせるようにしていきましょう。

 

得か損か

塾内カリキュラム内では発達障害とオンラインの相性の良さについて伝えているのですが、その際によく使う例として、「どっちが得か損か」という話をさせてもらうと響くことが多いです。

 

今回は事例をあげながら、発達障害の方の世界の見え方を伝えてみたいと思います。

 

発達障害にとっての分かりやすさ

これまで既に、発達障害をお持ちの方が「曖昧さが苦手」ということについてお伝えしてきました。

 

これは、かなり多くの発達障害をお持ちのお子さんに当てはまるようです。

 

そのため自己判断を求められたり(『あなたはどう思うの?』など)、普通であることを要求されたりすることは非常に抵抗感と、理解力の点で受け止めにくいようです。

 

結論から言うと、どちらの方が長いか短いかを問われるかのように、何かの物差しを提示して、<どちらが得か?あるいは損か?>を尋ねられると、ご自身の行動を決められることが多いように感じます。

 

得か損かは分かりやすい

発達障害をベースに持ち、職場でのうつを発症しご相談される方の中には、周りからの評価、特に上司からの評価を気にされている方が多いです。

 

それは、自分が相手からどう見られるかが気になるというよりは、誰かと比べて勝っているかどうか、これが気になっているようです。

 

【評価】

 

というものはとても曖昧なもので、上司によって変わったり、また部署によっても評価の仕方は変わるでしょう。

 

そのため、大体の場合行き着くのは、出世であったり、お給料という分かりやすい物差しに戻ってくることが非常に多いです。実際お会いさせてもらう中でも、障害者手帳を受け取り働くことの抵抗というよりは、「お給料が安いから(障害者枠での就労は)嫌だ」という方は多いですが、一方で、<ではインターネットを使って、稼げる方法を教えてあげるから、その時間を作るために安定収入を障害者就労で稼ぐのはどうかな?>と尋ねると、多くの方、いえほとんどの方は、「それならその方がいいです」とお答えされます。

 

その背景には、言語化出来ない、かなり頑張って適応しようとして頑張っていることや、またそのことが評価されないことへのしんどさなど色々あるかと思いますが、分かりやすく、<どっちが得だと思いますか?>という質問には、明確に「こっち」と答えてくれます。

 

損することも嫌だ

同様に損をすることも嫌だと言います。

これは、とっさに相手を非難するような言葉を言わないと、自分の心が収まらない時に、<後々、そのことがあなたの給料を下げる結果になるとしたらどうですか?>と尋ねると、「それは嫌だ」と言うので、具体的な言い方や伝え方を教えると、実際出来る確率は高くないのかもしれませんが、それでもその方法を覚えようとし、実際その行動を取ろうとはされます。

 

このことは「自分だけが損をするのは嫌だ」ということも響いているからです。

 

 

もしかしたら、『うちの子が全て得か損かで考えるようになるなんて抵抗がある』とおっしゃる親御さんもおられるかもしれません。

 

それはそれでいいと思います。

 

ただ、<親御さんであるあなたにとって大事なことは、あなた自身の感情か、お子さんが理解をして、社会的に適応とされる行動を1つでも多く取れるようになることなのか?>ここを是非考えていただきたいのです。

 

それこそ、<お子さんが得をするのはどっちでしょうか?>です。

 

お子さんが「その方が得だ」と思えることを、親御さんであるあなたにも是非お手伝いしてもらえると嬉しいです。

 

集中したときの能力は天下一品

一定経験された大人の発達障害の方はご理解いただけると思うのですが、ゲームであれ、パソコンであれ、発達障害の方の、1つに没頭した時の力というものは、非常に高いものがあります。

 

格闘技や音楽などもそうですが、パターンを淡々とこなしていったり、その時のシミュレーションを何度も何度もやっていくことに関しては非常に飛び抜けたものをお持ちです。

 

ただ幼い頃は何が好きでなぜ繰り返す必要があるのか分からないものから、やっているうちに好きになり、どんどんハマっていくものもありますので、まずは継続させることを意識していくと良いかと思います。

 

発達障害の人がハマりやすいもの

 

・格闘技

・ピアノなどの音楽関係

・速読・レゴなどの知育関係

・将棋・囲碁などの勝負関係

これらのものは比較的発達障害をお持ちの方がハマりやすく、またパターンがいくつかに分けられるため、相性もいいものです。

 

クリエイティブなことになると難しいかもしれませんが(作曲をするなど)、一方で先人で上手に弾いている人の手元を映した動画を観るだけで、自分でも同じようなリズムや抑揚で弾ける方も一定数居られます。

 

同様に知育玩具にハマる方も、これまで教えて来た方の中には居られますし、将棋・囲碁など、「こう来たらこう返す」というパターンが何通りもあるように見えて、一定のパターンをその中に見出す方も居られます。

 

こういった方の場合は、勝負欲や承認欲求も満たされるので、そのことに没頭するということが多々あります。

 

情報発信

 

文章を書くことが好きな方、得意な方も居られます。

こういった方はご自身で極めた何かを情報発信していくと相性がいいかと思われます。

 

私ごとですが、趣味で始めた心理学のブログは一日1万PVまで行きましたし、ゲームの攻略ブログもそのゲームを知っている人の中で読んでいない人は居ないくらい、読んでいただいていました。

 

このように極める力と情報発信する力を持つと、色んな場面で役立つことが多いです。

 

【まとめ】

まずはコツコツすることで、楽しいと思えるものを見つけ、それを四六時中、それこそ寝ても夢に観るくらいまで極める意識でやってみましょう。

 

そうすることで、ますますそのことへの情熱が生まれ、さらに極めたい気持ちが強まります。

 

情報発信は後のこととして、何かを極めるというのは発達障害をお持ちの方の強い武器になりますので、是非研ぎ澄ましておくようにしましょう。

 

自分を傷つけないために【割り切る】

過去の「トラウマ(とみなさんおっしゃいます)」からなかなか抜け出られない方は多いです。

 

また同様の理由で、職場や学校で「友だちが出来ないことへの悩み」をずっとお持ちの方も多いです。

 

今回はより幸せになるための考え方として、【割り切る】というテクニックをお教えします。

 

自分の範囲なのかどうかもっと考える

本質的な話をすると、これに尽きます。

 

【その問題はあなたが解決しないといけないことなのかどうか】

 

ということです。

 

例えば、発達障害のためにコミュニケーションをうまく取ることが出来ず、職場や学校で友だちが出来ないこともあるでしょう。
もちろん波長が合う親友が見つかる可能性もありますが、可能性としてはどちらが高いかというと、前者「職場や学校では、親しい人間関係が築けない場合」の方が圧倒的に多いです。

 

ですが、それは決してあなた(やお子さん)が悪いのではありません。
なぜなら少なくともあなた自身、相手を傷つけようと思って関わっているわけではないからです。

 

ですが結果的に相手を傷つけたり、不快な気分にさせることもあるかもしれません。

 

しかし悪意がない中で、最大限やった結果がそうなだけであなたはベストを尽くしたはずです。

 

あなたとしてはベストを尽くしたのであれば、そこに対して思い悩む必要はありません。
なぜならそれはあなたの出来る範囲を超えているからです。

 

まずはそのことがあなたの出来る範囲内にあるのかどうか、明確に線引をしていきましょう。

 

目的を間違えない

職場は決して友だちを作りに行くところではありません。
学校も本来は友だちを作ることを学ぶ場だったのかもしれませんが、発達障害の方にとっては、それは二の次の話になります。

 

少し補足をすると、学校では【友だちの作り方】を教えてくれません。ということは自然に身につくと思われているということです。曖昧な状態が苦手な発達の方にとって、それは非常に高いハードルです。
ですので、無理に学校で友だちを作る必要はないと、私はお伝えしています。

 

割り切る

ここで割り切るという考え方が出てきます。

 

無理に職場や学校で友だちを作る必要はありません。もちろん出来るに越したことはないですが、
職場→仕事をするところ
学校→学問を学ぶところ

 

です。そして発達障害の方は得てしてコミュニケーションについてぎこちないところや不器用なところがあります。
そこを無理に頑張る必要はありません。

 

どうしても欲しければ、同じ趣味の仲間とネットで繋がったり(実際会うと難しいこともあります)と目的が同じ相手と繋がれば、比較的気は楽なはずです。

 

一方で、同じだからと言って「発達障害の会」等に行きますと、お互いにコミュニケーションの困難さを抱えていますので、余計ストレスを感じる可能性があります。

 

さて、話を戻します。

 

職場や学校で、相手の方から嫌われたり、苦手意識を持たれるのは、こちらから積極的に近寄って行く時に一番リスクが高いです。
もちろん得られるリターンはあるかもしれませんが、リスク以上に得られるかと問われると、正直難しいのではないかと考えています。

 

これが【割り切る】ということです。
つまり、リスクが高いところに行き、玉砕する可能性があるくらいなら、近寄らず、職場には仕事以上のものを、学校には学ぶ以上のことを求めないということです。

 

自分には苦手なことがあり、周りと同じことが出来ないと思い悩むくらいなら、上記のように考え、割り切り、「自分はこれ以上傷つかないために、あえて近づかない」というのも選択肢の1つです。

 

出来ないことに思い悩むより、すっぱり割り切る方が精神安定上も楽なはずです。

 

まずは、その場の本来の目的を思い出し、それ以上のことは全ておまけであり、得られたらラッキー、そうでなくて当たり前と割り切っていくように考えると、周りと比べることも減り、しんどくなくなりますよ。

 

終わりが苦手なお子さんへの対処

ゲームやマンガなど、遊びに限らず、終わりにすることが苦手なお子さんは発達障害に限らず、一定数居られます。

 

今回は、終わりにすることが苦手なお子さんへの対処法をお伝えします。

 

仕込み

事前約束のことです。保護者が先に、『ゲームは一日○時間まで!』でも、『遊ぶのは宿題はしてから』でも大丈夫なのですが、事前にお子さんと約束しておくことがとても重要です。

 

これは発達障害のお子さんについて全般的に言えることですが、

 

【見通しが立たない、あるいは立ちにくい場面は苦手】

 

ということを踏まえてのことです。

 

今後発達障害のお子さんとのいい関係作りのためには、突発的にルールを課すのではなく、ご本人も意思決定の場に居た、という事実が後々自己コントロールということに繋がってくるため、とても重要です。

 

外部から時間管理を行う

と言っても、保護者であるあなたが行う必要はありません。

 

シンプルにタイマーを渡して、その音が鳴ったら終わり。
そういうルールを事前に約束し、その通りにやってもらうだけです。

 

ご本人が納得していない場合、途中でタイマーの時間を触ることもありますが、それも含めて経験です。

 

気になるようでしたら、こちらでもタイマーを使い、大体同じかどうかを伝えてあげたらいいと思います。

 

この方法の一番のリスクは、お子さんが「誤魔化せばなんとかなる」ということを誤学習してしまうことです。

 

そうならなければ、基本的には発達障害のお子さんは素直なので、決められたルール通りに乗ってやっていくことが増えていきます。

 

達成出来たかどうかは視覚化を

もう何度も出てきている視覚化です(笑)

 

TVゲームならTVの横に分かるようにルールを守れた日にはシールを貼るようにしましょう。
「お父さんは怖い」と認識しているお子さんも居られますので、こうすることで、お父さんからも今日はルールを守れたのかどうかが一目瞭然です。

 

言葉だけだと、出来たかどうかは「お母さんがお父さんに言いつけた」場合のみ把握出来るようになるので、お母さん自身が子どもから嫌感を持たれないようにするためにも有効です。

 

【まとめ】

なかなか終わることが困難なお子さんに対しては外部のタイマーなどを使い、自己管理を促す。出来たらシールなどで達成が誰が見ても分かるようにしておくことが重要です。

 

また継続すると薄れるかもしれないので、達成出来たことは、くどいようであっても褒めてあげるようにしてあげてください。
日々のそのような関係が、後々の育てやすさに繋がっていきます。

 

 

発達障害児童のための環境調整

今回は少し込み入った話をしたいと思います。
というのも、今回お伝えする、お子さんの行動の先読みという技術は、ある程度の経験が必要だからです。

 

例えば感情的にならないまでも、身近に発達障害のお子さんと接していたら、可愛いけど、何かしら感情的に逆なでする行動を取ることが多いとお聞きします。

 

そのため、ある程度の枠組みや環境調整ということが必要になってくるのですが、その枠組や環境調整について今回はお伝えしたいと思います。

 

状況把握

例えばですが、お子さんの不適応行動によって、誰がどんな不利益を被っており、またお子さん本人の困り感を感じさせるためにはどうアプローチするのがいいか、こういったことを考える必要があります。

 

私は、カリキュラム内でもお伝えしていますが、マインドマップを書くことをお勧めしています。

 

マインドマップとは、ノートに書くのとは異なり、用紙の中心に「テーマ」を書き、そこから連想される事象や原因、今後の展開などを書いて行くものです。

 

使い方等はカリキュラムを参照して下さい。

 

個人的には書き直しをすることを考え、また使い勝手もいいため、PC版のXMindというソフトをお勧めしています。
ただ、マインドマップを教えている人の中には、「手を動かすことがいい」をおっしゃり、手書きを推奨されている方も居られます。

 

個人的には、
・後から見返すために一定見やすい方がいい→PCを使って
・自由な連想の中でひらめきを大事にしたい→手書きで
くらいで考えていただけたらいいかと思います。

 

特にツールにはこだわらなくても大丈夫なので、ご自身使ってみて合うと思うツールをお使い下さい。

 

このツールを使い、状況把握をすることが一番になります。

 

状況把握や展開等をちゃんと理解しておくことが、次の環境調整のためには重要です。

 

本人の解決に対するニーズを共有する

正直、ご家族が困っていることであっても、ご本人が困っていない、また表面的には困っているとは言うが、我々が感じている困り感とは少し異なる気がする、こういうことがあるようです。

 

また余談ですが、ご本人の捉え方が正直独特で、親御さんとしては『違うような気がするけど、本当にそんな受け止め方のニーズでいいんだろうか?』と感じたとしても、問題解決に対するニーズがあるならあるで今はOKです。無理にきっちり揃える必要はありません。大事なことは、目的に対してご本人が困り感を感じており、一緒に行動する決意をしているかどうか、ここが一番重要です。

 

その際に、前述したように、紙に書いて説明をしていくとスムーズに進みます。個人的には、【その場で書いた方が】効果的(=事前に作ったマインドマップを再度お子さんの前で書き直す方が効果的)かと思われます。
既に完成しているものは、なぜか注意を引きにくいようです。

 

お子さんと一緒に対策を考える

ニーズ確認が出来たからと言って、具体的な対策を大人側で勝手に決めると、後々こじれる場合があります。
そのため、親御さんの立場からは出来るだけ【一緒に問題解決をする仲間】として接する方がいいかと思われます。

 

あるいは我々のような専門家に代わりに言わせるなら、具体的な方法は多少お子さんの想像の上を行っていても通じることもあります(とはいえ、現場では、同じように一緒に考えているスタンスを取りつつ、自分で気づいたような感じで、少し誘導しますが)。

 

くれぐれも大人側の理屈やスピードで進めない方がいいことが多いです。

 

その後の展開を考える

もちろんいいように転がれば一番よいのですが、そうならない場合も含めて、あらゆるケースは想定しておくほうがいいと思われます。

 

つまり、約束する時点で、
☆ある程度上手く行った場合の次のステップ(や話し合いのタイミング)
☆上手く行かなかった場合、どうなったら上手く行かないと判断するのか、またその場合の対策(仕切り直すタイミング等)

 

を決めておくのです。
それが環境調整に繋がります。

 

最初はそこまで中長期のスパンでのしつけということに抵抗を持たれることがあるかもしれません。

 

しかし、発達障害をお持ちのお子さんは予測や予想外のことが起こった時に、こちらが思っている以上に崩れてしまうことが多いです。

 

ですので、環境調整はお子さんの長期的な成長のためと考え、ある程度の枠組みやそれを超えた時のルール作りなどは出来るだけ丁寧に作っていきましょう。

 

もしお困りのことがありましたら、いつでもご相談下さい。

 

話しが脱線しがちなお子さんへの軌道修正方法

「そういえば実は他にも・・・」ということでご相談いただく内容で、多いのが発達障害児童への説明を聞いているときに脱線させられることが多いということです。

 

今回は脱線時の軌道修正方法についてお話したいと思います。

 

脱線を修正するのにエネルギーを必要とする

例えば、ASDでもADHDでもよくあるのですが、叱られている時に、保護者の言葉尻や言い回しを捉えて、非常にこだわってくる場合があります。

 

例えば、『普通は~~なのよ』、子ども「ねぇ、普通って何?普通じゃないといけない根拠を説明してよ」など、言葉の定義が気になるのかもしれませんが、いちいち言葉尻を捉えられてそれに応じていたら、とてもではないがエネルギーもたくさん必要ですし、何よりそんなことを言ってくるお子さんを避けたり、最悪嫌いになってしまう可能性をはらんでいます。

 

そのため、そういった脱線時への対応には以下の方法をお試し下さい。

 

脱線に応じないために大事なこと

基本的に子どもからの話の脱線は、

1.そのことがとても気になって仕方がない

2.それ以上追求されたくないので、脱線させて相手に話の主導権を握らせたくない

という大きく分けると2つの理由から成り立っています。

 

そのため、どちらが背景の脱線にしても反応することそのものがご褒美になってしまいます。つまり、『今はそういう話をしているんじゃないの』であったり、『あなたは口答えばかりして』と応じてしまうだけで、それは既に子どもからしたら、「しめしめ、やってやったぜ」と言うことになってしまいがちです。

 

では、反応しないで脱線へ上手に対応するためにはどうしたらいいのでしょうか?

視覚情報中心で説明を淡々と行う

私達がよく使う手ですが、基本的に叱るというスタンスではなく、気づかせるというスタンスで行います。

 

またその気づかせるスタンスも、『我々大人が困るから』ではなく、「その子が困っていることを解決するためのお手伝い」というスタンスで終始一貫しています。

 

もちろん親子なので感情的になることもあって然るべきだと思います。ですので、今回の方法も是非一度お使い下さい。

 

1.伝えるべき場は他に気が散るものがないところで

そもそも外や、ご家庭でも他に物が色々あるような場所で注意をすることは気が散る上に、脱線しやすい材料がたくさんあることになります。そのため、まずは集中出来るよう、他に何もない机の上であるよう心がけるようにしましょう。

 

2.用意すべきものは紙とペン

紙とペンのみで説明することが望ましいです。私の場合は臨床心理士という立場も使って行うために、パソコンを使ってということもありますが、基本的にパソコンも気が散る物の1つなので、その中の絵や情報を使う場合では、プリントアウトして使ってください。

 

紙とペンを使い、出来事(事実)、そこから起こった困ったこと、(書けるようなら)そうなった理由、今後の対策などを紙に書きながら説明をしていきます。

 

字が読めるお子さんであれば字でも結構ですし、絵の方が有効な場合もあります。それはお子さんの状態に合わせて使い分けて下さい。

 

3.脱線しても徹底的に無視をする

人は視覚に入ったものが優先するように出来ています。そのため、子どもからの脱線が始まったら、基本的には無反応になり、一旦間を空けてから、『でね、さっきの続きなんだけど』と紙に書いていくと、視線は紙に書いてある内容に自然と軌道修正されます。

 

脱線させられた場合でも、応じる必要は全くなく、徹底的に無視をして下さい。

 

そして『でね』と続けるわけです。

 

こうすることで、お子さんの脱線にいちいち付き合う必要はなくなります。

 

大事なことはお子さんが正しい知識を身につけることであり、あなたの言うことを素直に聞かせることではありません。

 

脱線しそうなときには準備不足(紙とペンではなく、口頭で説教を始めてしまった等)であることがほとんどです。

 

まずは、叱る場合でも準備が必要であり、紙に書いて視覚情報で伝えると、脱線した場合でもお互いに戻る情報は紙に書いてありますし、脱線に反応せず、紙に書いてある内容の続きを話しても別段不思議な感じはしないかと思います。

 

是非紙とペンを使い、上手に脱線には応じず、あなたの伝えたいことを伝えるようにしてあげてください。

 

困り感が本人にない場合の対処法

これは、ご本人というより、保護者や学校の先生、支援機関のスタッフからよく質問されることです。

 

もしも困り感がご本人にない場合、あるいはご家庭に発達障害と気づいておらず、学校や支援機関での不適応行動から発達障害が疑われる場合、どのように診断に繋げたらいいのかということについてご相談を受けます。

 

よく私たちが支援をする際に困り感がない方と相対したときの対処法を今回はお伝えしたいと思います。

 

誰が困っているかを明確にする

支援の大原則ですが、困っていない人に支援を申し出るとかなり高い確率で拒否感を示されます。

 

例えば、ご本人の不登校、引きこもり、ニートでのご相談から、ご本人と面接をすることがあります。その際に、本人は全く困っていないということもあります。

 

なぜなら、既に閉じたコミュニティではありますが、ネットと食と住が保障されており、登校したり、働く必要性を全く感じないからです。

 

こういった場合は、ご本人とも会うチャンスがあるのなら会う方がいいですが、そこは関係性構築や情報収集に勤め、困っている人、すなわちご家族に対して支援をした方が効果が高いです。

 

上記の例であれば、<ご本人のネット環境を与えたのはなぜなのか?>お聞きしたとき、保護者は『以前ゲームを取り上げた時、家が壊れるほど大暴れしたから怖くて取り上げられない』とおっしゃっていました。

前述したように発達障害を持つお子さんに誤学習をさせてしまう(今回の場合は暴れたら自分のワガママが通った)と、後の軌道修正が大変になる場合が多いです。

 

そのため、環境調整として望ましい具体的な方法を保護者に伝えて行くことが、支援の効果として高いことになります。

当然ご本人にニーズがない場合、支援を継続的に受けることが減っていき、徐々に支援を受けられなくなるということは言うまでもありません。

 

変化や成長を受け入れるのは困っている人ということをまずは認識しましょう。

 

解決したい【ニーズ】があるのかを明確にする

これは少し心理学のことを学んでいると出てくるテーマなのですが、疾病利得という言葉があります。

要は病気であることで得ている利益がその人にある、ということですね。

 

例えば頭が痛いと言えば学校に行かない正当な理由になる場合もありますし、逆に両親が離婚したばかりで、学校に行っている間に自分がもう片方の親からも捨てられて居なくなるのではないか?と考えているなら、学校に行かず、親の帰りを待っていることは、学校に行くより安心が出来ることになります。

 

それぞれ事情はあるかと思いますので、細かい事情はお聞かせいただけたら、その解決ニーズがありそうかどうか、そして次の項目になる困り感を持たせる方法についてお伝えさせていただいています。

 

ニーズ・困り感を持たせるには

困り感が既にある人は全く問題ないのですが、困り感をお持ちではない方については、一工夫必要です。

 

これまでの例で言うなら、不登校引きこもりニートの彼は困っていなかったので、ご家族支援からどのように困り感を持たせるかですね。

 

簡単に言うなら、ネット環境含めて取り上げてしまうことですね。

ネットを止めてしまい、その分のお金を自分で稼ぐ。そのためには働く必要があることを理解してもらう必要がありました。

 

ただ根っこにはご家族が本人と向き合うことが怖いというのがありましたので、次善策として、一家全員で引っ越すということも提案させてもらいました。

今後一生ご本人を養っていくことを考えるなら、引っ越し代金そのものは一時的なものなので安いと考えます。ただこれは、実際に引っ越しすることが大事なのではなく、ご家族が『他に取れる手はあるので今は最悪ではない』と認識することが大事なのです。

 

一番恐れるべきは、『もう最悪で逃げ場がどこにもない。今の状況を変える手段はどこにもない』とご家族が感じてしまうことです。それを、自分が腹を決めれば他に取れる手段は他にもあること、ここを認識することで、見え方や対処法が変わってきます。

 

困り感を持たせるには環境調整からというアプローチも有効であり、その環境調整をするのは、困り感を持っている人だけなのです。

 

最後はご家族の問題と割り切る

これは学校など支援機関にお伝えしていることです。

発達障害、知的障害含め、学校で勉強についていけない、友人とうまくやっていけないことは、先生としてはなんとかしてあげたいことだと思います。

 

一方でご家族に困り感がない場合は、正直今は伝えるタイミングではないときもあります。

 

困り感がない場合、ご本人の学校の様子をフィードバックして、今後困るであろうことをお伝えするのはありですが、具体的な方法まで提示すると、保護者対学校という構造になりかねません。

 

そうならないためには、最後はご家族が責任を取ることであり、それ以上踏み込む必要も、改善のために努力はしても結果にまで責任を取る必要はない、と割り切ることも必要です。

 

まずは、誰が困っていて、問題解決のチームが組めそうかを考え、困り感を持たせるための具体的な方策を立て、少しずつアプローチしていく、そういうことを心がけてみて下さい。

 

不適応行動への対応について

先日、大阪市内の小学校で児童の不適応行動に対応するための問題解決手順というテーマで研修をしてきました。

 

学校現場で今お困りのこととして多いのは、不登校問題と、集団における発達障害の不適応行動(クラスを乱す、授業の妨害をする、興奮すると手に負えないなど)のようです。

 

今回研修でお伝えした内容をこちらでもお伝えしていきたいと思います。

 

そもそも不適応行動とは何なのか?

一言で言うなら、そうすることで、何かしらのいいことがあったために、身に付けた行動様式のことです。

 

行動分析学では【誤学習】と呼んでいます。誤った学習ということですね。

 

しかし一方で、

「そうせざるを得なかった行動」でもあります。

そうしないとその時点でのお子さんはやっていけなかったという考え方です。

 

大事な点は、決してあなたや学校の先生を困らせようと思って身に付けたわけではなく、許容は出来なかったとしても、そうやってご本人は身や心を守ってきたということです。悪意ではなく、そうせざるを得なかったということですね。

 

ですので、今後目指すべきは、不適応行動を適切な行動で上書きをしていくということになります。

 

行動とは?

また【行動】を誤解している方が多く、この点も大事なことなので是非抑えておいて欲しいのですが、お子さんの不適応行動を適切な行動で上書きするためには、【行動】とは何かということを正しく定義しておく必要があります。

 

行動分析学における行動とは

①誰が見ても

②客観的で

③測定可能なもの

 

のことを指します。主観によって変わるものは行動とはなりません。

 

例えば「静かに授業を受ける行動」は【静かに】という基準が先生によって揃っていない場合は、多少ガヤガヤしていても、静かだと認識する先生も居たら、呼吸音以外音が聞こえるなら静かではないとする先生がいる場合もあります。そういう場合は教室に音量計をつけ、「~~デシベル以下を静かである」と定義することで、客観的に測定することが出来ます。

 

このようにお子さん自身がどんな行動を身につけるべきかは、こういった行動の定義が明確で分かりやすい言葉で説明されていることが、重要となります。

 

適応行動を上書きする

1.行動強化

このように適応行動を上書きすると考えた時に、大事なことは、児童自身にそうするだけの理由や、魅力がある、ということが前提になります。

 

我々もそうですが、会社から与えられた研修を無理やり聞かされるのは出来たら避けたいことですが、同じ受講するものでも自分自身興味があるテーマで、自分で申し込んだものは積極的に聞かれるかと思います。

 

同じように、その行動を身につけることが、その児童自身にとって、魅力的に映るように見せていく必要があります。

2.行動強化の方法

てっとり早いのはご褒美です。

 

その行動をすると、褒めてくれたり、好きなおもちゃが買ってもらえると分かれば、すぐにその行動を取るようになります。

ただし、一度で与えると、毎回ご褒美がないと頑張らなくなるので、そのあたりの調整は考える必要があります。

 

ご褒美と言っても、既に述べたように、物から言葉まで色んなものがありますので、その児童自身にあった方法を取り入れていきましょう。

 

トークンエコノミー法という「ご褒美1回ごとにシール1枚。10枚でご褒美と交換」という目で見て分かる方法を推奨しています。

 

3.タイミング

ご褒美を与えるなら、望ましい行動をした直後です。

直前でも、しばらく時間が経ってからでもいけません(しばらく後で与える場合には、言葉で後からご褒美がもらえることを保障する必要があります。ここは後述)。

 

与えるタイミングを間違えないようにしましょう。

 

4.注意点

ご褒美を仮にシールで分かるようにしていた場合、既に与えたシールを、他のペナルティとして回収することは絶対してはダメです。

 

というのも他のペナルティで回収を始めると、児童は「頑張ってもどうせ、他のことでチャラにされるんだろ?じゃあもうこのゲームやーめた!」となるわけです。

 

ですので、行動とシールを連動させている場合は、上げたものは回収しないと、必ず保障して下さい。

 

見過ごせない不適応行動が他にある場合には、他の約束と仕組み作りが必要です。

児童本人を混乱させないためにも、ルールを作ったら、大人の都合で勝手に変えることはしないように気をつけましょう。

 

不適応行動を助長させない

また不適応行動を消して行くために大事なポイントがいくつかありますので、そちらについても説明します。

 

1.不適応行動に対する最適解は「無視」か「正しい行動を教える(モデリング)」

不適応行動を目にしてしまうと、思わず「ダメでしょ!」「ちゃんとしなさい!」と言いたくなるのが、大人としては当たり前だと思います。

 

しかし、例えば何かで叱られている時に、ちゃんと最後まで聴くことをターゲット行動としていたとします。その際「ねーねー、その言葉の意味って何?」と質問をするなど、話を聴かないこともあるかと思います。

 

その場合は、まず端的に結論とダメだった理由を分かりやすく伝えるということは大前提として下さい。発達障害の児童を叱るときには端的に分かりやすくです。

 

その上で、上記のような質問を返して来た場合、「ちゃんと最後まで聞きなさい!」と応じるのは不適応行動を助長します。

 

なぜなら、そうやって途中で質問をすれば、聴きたくもない説教から逃げられたわけですから。

 

ですので、目に入ると細かいところが気になってくると思いますが、基本的にターゲット行動を達成したらご褒美、以外の行動は無視をして下さい。

 

と説明をすると、『でも無視をすると、どんどん質問してきて、最後には注意をしてしまうんです』という親御さんや先生も居られます。

 

これは一番ダメなパターンです。そうすると、児童は「ははーん、僕が今まで質問してきた音量や聞き方では止められなかったんだな。じゃあ次はもっと大きな声で、さらに何度も言わないと説教は止められないぞ。次からはもっと大きな声で質問しなきゃ」ということを学習するわけです。

 

ですので、こういう場合正しい方法は、説教は続けながら、手で制するが正解になります。説教自体は止まりませんし、相手にその逸脱行動がダメなことが伝わります。ただ、手の動きを入れると説教に集中出来なくなるなら、完全無視を徹底して下さい。

 

2.モデリング

先程も少し出てきましたが、注意をするのではなく、「こういうときにはこうするんだよ」という正しい行動様式を教えることをモデリングと呼びます。

 

 

先程の例では、手で制して、今は黙っておくことが正解であることを伝えました。

 

また『なんでこんなこと(悪いこと)したの!?』ではなく、『こういうときにはこうするんだよ』ということを端的に伝えてあげることが優先となります。

 

感情的に叱りたい気持ちも分かります。

ですが、それは次の不適応行動の種になっているかもしれません。

 

もちろん聖人君子たれとは言いませんので、いいことはいい、ダメなことはダメと伝えることはしつけ上必要なことです。

 

その上で、今回お伝えしたような、不適応行動に対するアプローチも是非活用してみて下さい。